同じ傾向は全日空にも当てはまる。表は全日空の歴代CA制服の変遷である(写真は同社提供)。1期生6人が入社した55年の1代目から来年導入される10代目まで。時代ごとに大きく様変わりしている。

では変遷を追い掛けてみよう。

1970年にひざ上7センチのミニスカート

1代目は米空軍の婦人服がモデル。2代目は紺色のツーピース。どちらも社員がデザインした。さっそうとした制服らしさが漂う。2代目は特にスカート丈が長い。清楚(せいそ)で上品な仕上がりだ。このころはまだ飛行機は庶民にとってぜいたくな乗り物だった。やはり、時代を追うごとにスカートの丈も短くなっている。

全日空でも、70年に導入した制服でひざ上7センチのミニスカートを採用した。デザインは芦田淳さん。滑走路をイメージした逆T字型の未来的なデザインで新しさを強調している。だが、スカートの短さもここがピーク。第1次石油危機が起きた翌年の74年に導入された5代目ではパンタロンを採用。ガラリとイメージチェンジした。

バブル期は肩パッドにダブルスーツ

6代目もロングスカート。デザインは三宅一生さん。スーパージャンボ機就航に合わせて導入された。制服らしからぬカジュアルなデザイン。親しみやすさや使いやすさを重視したという。5代目、6代目ともに「冬の時代」の制服。ミニの時代から大きく様変わりした。

バブル期に導入された8代目になると、全日空でも肩パッドが入ったゆったりしたダブルのスーツに切り替わる。このモデルは実に14年半の長期にわたって使用されたので、全日空のCAの制服として利用者の間でもイメージが強く定着しているようだ。デザインは芦田淳さん。そして、9代目以降は日本航空と同じようによりシンプルなデザインに移行している。

来年に導入される10代目の新制服では初めて外国人デザイナーを起用した。「色も紺以外で」とあえて会社から指定し、変化と挑戦への意気込みを表現したという。

以上が大まかな流れである。

やはり全日空の制服も景気や世相を色濃く反映しており、ミニスカート、ロングスカート、バブル期らしい肩が大きく張り出したダブルスーツを導入したタイミングは日本航空と重なる部分が多い。

制服といえどもずっと同じデザインとスタイルを貫いているわけではない。試行錯誤を繰り返して変化しており、そこに日本経済や航空業界、社会心理などの変遷を読み取ることができるのだ。

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