職場で能動的に

トヨタ自動車もまた11月までグループの社員約100人をボランティアとして被災地に派遣。6月半ばに参加した本社カスタマーサービス本部の鈴村玲世さん(46)は、岩手県陸前高田市で、被災者宅の片付けや線路での漂流物撤去に当たった。今回思い切って活動に参加し「何事も自分から動かないと始まらない」と痛感。職場でも能動的になったという。さらにはグループの社員16人が役割分担しながら復旧作業にあたったことで「チームワークのありがたさを再認識した」。

東日本大震災の被災地で活動したボランティアは、ボランティアセンターを通じて参加した人だけでも7月上旬までに延べ約51万人。旅行会社やNPO法人は、社会人が参加しやすいよう週末ボランティアツアーを企画する。

石塚サン・トラベル(水戸市)では、土曜早朝4時過ぎに出発し同日夜に帰るツアーを組む。予約は数日で埋まり、リピーターも少なくない。システム会社ブレイン・テクノロジーズ(東京都港区)社長の須山松治さん(34)は既に7回参加。高齢者の自宅の泥出しを手伝ったところ涙を流して感謝され「自分の存在意義を見いだした」。一緒に汗を流すボランティアとの仲間意識も芽生えている。

今後は、力仕事が求められる復旧から復興支援へと現地ニーズの比重が変わっていく見込みだ。社会人ならではの専門性も生かして、いかに長期にわたり支援を続けるかが今後の課題だ。(編集委員 野村浩子)

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被災地復興後押し 転職を考える人も

震災を機に、転職を考える人も出てきた。6日、NPO法人ETIC(東京都渋谷区)が主催する「震災復興リーダー支援プロジェクト」の説明会が東京都内で開かれ、100人以上の社会人が詰めかけた。NPO法人や企業の支援プロジェクトで現地リーダーを補佐する人を中長期で求めるもので、社会人は転職か休職せざるを得ない。

参加者のひとり、藤沢明弘さん(24)は、宮城県名取市で農業再生を後押しするプロジェクトへの参加を決意。勤務先の大手コンビニに辞表を出した。「3.11を契機に、これまでなかった東北再生モデルをつくるという代表者の言葉にひかれた」という。

外資系コンサルタント会社に勤める高橋大就さん(36)も退職を決めた。震災直後にボランティア活動に携わるなか、有能な非営利組織(NPO)職員らに出会い「新しい公共」の可能性を実感、東北の生産者と東京の食関連企業をつなぐ仕事をする。

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