「五香」と「麻辣」で2方面作戦

牛肉風味には2種類ある。「五香(ウーシャン)」と「麻辣(マーラー)」。

「五香」は桂皮(シナモン)、丁香(クローブ)などの粉末を混ぜて作った混合香辛料。独特の香りがあり、肉料理の下ごしらえに使う。江蘇省・南京などの人にはなじみのある風味だ。

「麻辣」は花椒(カショウ)、唐辛子などによる味付け。四川料理によく使われており、四川省・成都などの人にはなじみの深い風味。舌がしびれるような辛みがあり、新陳代謝が活発になる効果がある。これを使った代表的な料理が麻婆(マーボー)豆腐。日本でも人気が高い。

電子レンジによる調理法をイラスト入りで説明

「五香と麻辣の2方面作戦で、南京や成都など内陸部の消費者に売り込んでいる」(小野さん)。日清食品グループの中期経営計画では、香港を含む中国市場での売上高、営業利益を2012年実績の208億円、18億円から、15年にはそれぞれ322億円、27億円と約1.5倍に増やす目標を掲げている。

カギは電子レンジ対応

中国市場攻略でカギとみられるのが「電子レンジ対応」。

市場調査の結果、「最近の若者が調理器としてまず電子レンジを購入する傾向がある」ということが分かったからだ。そこで、日清食品では利便性をアピールするため、商品のパッケージに、熱湯を注ぐという従来の食べ方に加え、電子レンジによる調理法も載せている(容器に入れる水や湯の温度のほか、電子レンジのワット数などによる加熱時間の違いをイラスト入りで解説している=写真)。

「ラウンドボトム」(電磁波の作用で過熱しないように底と側面を非直角にしている)

さらに腐心したのが底の構造。中国版「カップヌードル」では「ラウンドボトム」という技術を採用している。実は、側面と底の角度が直角だと電子レンジの電磁波の作用で必要以上に過熱してしまう恐れがあるらしい。そこで「底を球形にたわませることで側面との角度が直角になるのを防いだ」という。

このように、味覚だけでなく、ライフスタイルの変化に合わせた調理法、食べ方にも配慮するなど、市場に浸透するための細かな努力を重ねているのだ。

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“味の職人”が明かす「勝利の方程式」