朝は駅から大学・本社への歩行者が激増
再開発は今のところ人の流れにどんな影響を与えているだろうか?
中野駅周辺再開発による人の流れの変化を示す興味深い調査がある。
表は朝8時から9時にかけての出勤・通学のピーク時の歩行者交通量の変化である。駅から大学やオフィスビルに向かう歩行者が大幅に増えているのが分かる。中野駅北口改札(A)では5620人から9766人と1.7倍に増加。それまで人通りが少なかった区役所南側歩道(B)や税務署東側歩道(C)でも飛躍的に歩行者交通量が跳ね上がっている。
“昼食難民”など駅東側にもプラス効果
地元商店街では売り上げが1~3割増えている店が多く、昼食時には外食店が足りずに食事ができずに待たされている“昼食難民”も出ている。2万人の昼間人口が増えるきっかけとなった大学、オフィスビルの周辺でだけでなく、中野通りよりも東側のサンモール商店街や中野ブロードウェイ商店街振興組合などでもジワジワとプラス効果が出ているようだ。
これに加えて、国内外からさらに多くの来客を見込めるようなユニークな施設を中野サンプラザの建て替え計画や駅ビル新設計画で打ち出せたら、「人の流れも街の様子もさらに大きく変わる可能性がある」と地元関係者は期待を寄せる。
3大学を軸とした学園都市、緑地を備えたビジネス街、サブカル系の店が集積する「中野ブロードウェイ」や文化発信基地の「中野サンプラザ」などが混じり合ったユニークな街に変化してきているわけだ。