和紙で粋な心遣い 海外出張の手土産
センスアップ
衣料品輸入販売、アオイ(神戸市)に勤める西田徳子さんは年4回は欧州に出向く。「外国人に喜ばれる土産物のキーワードは和紙です」。もっとも手軽なのが、日本ならではの柄が描かれた包装の和菓子だ。かわいらしい形をした和三盆や色とりどりの干菓子は、日持ちする良さもある。
たとえば紫野和久傳(京都市)のらくがん「紅花菓子 紅」(1050円)の包装には紅花が描かれており、「一休菓子 しの」(840円~)は大徳寺納豆とこしあんに和三盆を衣がけした菓子が、薄紙で包まれている。風味にもパッケージにも繊細な日本の美意識が凝縮されている。
さらに西田さんのおすすめがスーツケースに忍ばせる和柄の袋、手すき和紙のはがき、一筆箋の3点セット。袋は和菓子を買ったときなどに多めにもらっておき、手土産を渡すときに活用する。はがきや一筆箋はメッセージカードとして使う。「包装、中身と2度喜んでもらえます」
松屋銀座本店(東京・中央)で評判なのが老舗和装小物店、銀座くのやの「おひざかけ」(1050円)。食事の際のひざかけにもなる大判の綿の布が、着物をたたんで保管する「たとう紙」にくるまれている。老舗店ならではの上質な和紙で柔らかな光沢が美しい。「包装を気に入って海外へのお土産に買っていくお客様が多い」(松屋)。ひざかけには、季節の花々や縁起物がちりばめられた宝づくしの柄などがある。
和紙のカードを探すなら伊東屋銀座本店(同・中央)や山田商会(同・千代田)で。山田商会の無地のはがき(5枚入り、420円)は手すきならではのぬくもりと、藤色や紅色など淡い色合いが楽しめる。土産文化を持つ日本人ならではの、粋な心遣いを伝えたい。
[日本経済新聞朝刊女性面2013年5月25日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。