2012/12/28

耳寄りな話題

ただし、それが満月のおかげというわけではないという。「この会には前向きな人が多く、そうした人と交流することで仕事に積極的になり、願いごとがかなっているのだと思う」と分析する。みさきさんによれば、当初、会に参加するだけで金運が上がると思い込んでいる人たちが来た。が、そういう人は次第に足が向かなくなる。

酒や食事楽しむ満月イベント各地に

「満月ウイスキーBAR」は、多くの人で賑わう(東京都港区のオービカ・モッツァレラバー)

満月の夜のイベントは全国各地に広がっている。最も多いのは、お酒や食事、そして集まる人との交流を楽しむ会合だ。

フリフリーゼの会と同じ時刻、東京・港区の六本木ヒルズのレストランは親子や夫婦、カップルなど様々な世代の男女でにぎわっていた。東京メトロで配られるフリーペーパー「メトロミニッツ」が企画した「満月酒場」だ。

昨年9月に始まり、14回目となる今回は「満月ウイスキーBAR」と銘打ち、著名バイオリニストの生演奏、ウイスキーとイタリア直送のチーズなどを用意。約180人の参加者が料理やお酒を片手にバイオリンの調べに酔いしれた。

毎回応募者が多く、抽選になる。横浜市の会社員、小杉文夫さん(51)は夫婦そろって今回が初参加。「満月は特別な夜を感じさせてくれる。また参加したい」と笑顔を見せる。

娘と2人でやってきた三鷹市の主婦、苗村江利子さん(55)は「前から気になっていたイベント。私の誕生日祝いを兼ねて娘が連れてきてくれた」という。「娘と外食する機会は多いが、満月をテーマにした食事は初めて。想像以上によかった」

深夜0時過ぎの催しに1000人が参加

「満月ウイスキーBAR」では、バイオリンの生演奏も(東京都港区のオービカ・モッツァレラバー)

メトロミニッツ編集長の渡辺弘貴さん(41)が「満月酒場」を考えた理由は東日本大震災。自粛ムードの中、多くの飲食店がつぶれ、街から人々が消えた。「でも、みんな人との出会いを求めていた。そういう人たちの社交場をつくりたい」

そう考えたとき、引き出しの奥から18年ほど前の企画書が出てきた。「満月にスマイルマークを投影できたら世界は変わる」というもの。どこからでも見られる月が笑顔になれば、世の中の争いごとがなくなるのではないか。

若いころの突拍子もないアイデアが震災後の世相と結びつき、「満月酒場」となる。口コミで人気が広がり、今年8月、渋谷「ヒカリエ」7階の飲食店街を借り切って開いた時には、午前0~4時の開催にもかかわらず、1000人が詰めかけた。

参加者は20~30代が多い。「誰かとつながりたいと考えている人が来ているのでしょう。つながれるリアルなものを求めていて、それが満月。月に1度の満月って、いいタイミングなんです」と渡辺さん。

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鎌倉の「満月ワインバー」がきっかけ