エンタメ!

裏読みWAVE

電気の不思議 世界の電圧・周波数はなぜ違う 編集委員 小林明

2011/4/22

 次に周波数についてみてみよう。これも日本は少数派に属している。

 各国の状況を調べると、北米では60ヘルツが多く、欧州では50ヘルツが多い傾向がある。つまり、米国型の60ヘルツと欧州型の50ヘルツにグループ分けできる。電圧と同じように、アフリカでは欧州型が多く、南米やアジアでは米国型と欧州型が入り交じっている。ただ日本のように同じ国内で双方が混在しているケースはほとんどないそうだ。

 このように各国で周波数が異なるのは、初期に導入した発電機の機能などが影響したためとみられる。日本の場合、明治時代に東京電力の前身の会社がドイツ製の50ヘルツの発電機を導入し、関西電力の前身の会社が米国製の60ヘルツの発電機を導入したのがきっかけとなり、富士川より東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツという変則的な形態になった。

 10電力会社のうち北海道電力、東北電力、東京電力が50ヘルツ、中部電力、北陸電力、関西電力、四国電力、中国電力、九州電力、沖縄電力が60ヘルツに分かれている状況は、電力不足が懸念される中、互いに電力を融通しにくい「東西の壁」だとも指摘されている。

 日本では過去にも、電圧を欧州並みに引き上げたり、周波数を国内で統一したりする案が何度も検討されたようだが、事業者間の思惑や多額なインフラ投資などが足かせになり、なかなか実現には踏み切れなかったようだ。

 「いっそのこと、世界で統一できれば便利なのに……」。こんな声はなお根強いが、各地でいったん確立した仕組みを根底から崩すのは、よほどの必要性がない限り、やはり難しいのが現実らしい。電圧も周波数も、言語や料理、風習などと同じように、各国が独自に培ってきた文化といえるのかもしれない。

読者の皆様のコメントを募集しています。
コメントはこちらの投稿フォームから

【関連キーワード】

周波数電圧

エンタメ!新着記事

ALL CHANNEL