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家族葬は意外に高い? 香典少なく、予期せぬ費用も

2014/4/23

葬儀の簡素化が進んでいる。中でも目立つのが「家族葬」。ゆっくりお別れしたい、費用をあまりかけたくないといった家族の思いを映している。ただし、意外に費用はかさむ。故人や家族・親族が一致して望むスタイルなのかも、事前に調べておくことが肝心だ。

自宅のリビングのような空間をイメージしたクリスタ五井の家族葬専用ホール(千葉県市原市)

3月下旬、友引の日に開かれたセレモニーホール「クリスタ五井」(千葉県市原市)の見学会は近隣から約70人が集まった。完成したばかりの施設は様々なタイプの葬儀に対応するホールが複数ある。

中でも目を引くのは家族葬専用のファミリールーム。30人程度が入れる部屋は白で統一。靴を脱いで上がるスタイルでくつろげる。「自宅リビングのような空間でゆっくりお別れしてほしい」と運営する博全社(千葉市)の芝崎信次専務は話す。友人と来た72歳の女性は「私、ここでいいわ」と気に入った様子。

従来100~200人の参列を想定してきた斎場やホールは小規模な葬儀へのシフトを進めている。戸田葬祭場(東京・板橋)は150人対応のメーンホールを50~60人用の部屋に2分割した。霊園販売や葬儀を手掛けるニチリョクは家族葬に対応した施設を横浜市に2カ所新設。家族だけで故人を見送る1棟貸しの共用住宅も東京都練馬区に建てた。

葬儀をせずに火葬する「直葬」、通夜を省いた「1日葬」など弔いの形が多様化する中で、多くの人が望むのが身内中心の家族葬だ。「東京の都市部では全体の約5割が家族葬。会社や町内に周知する従来の葬儀は2~3割程度」と話す事業者もいる。

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葬儀の事情に詳しい第一生命経済研究所主任研究員の小谷みどりさんは「もともと葬儀の中心は家族だが、バブル期以降、会葬者が主役になっていた」と説明する。家族は会葬者の対応に追われ、故人とゆっくりお別れできないケースもあったという。家族葬の人気はその反動とみる。

自らの葬儀への関心が高まっていることも大きい。「年配者の多くは子に経済的負担や手間をかけたくないと家族葬を口にする」(小谷さん)。日本消費者協会(東京・千代田)の調査では葬儀費用の全国平均は約190万円。残された家族も含め、出費を抑えたいという思いが家族葬の増加に拍車を掛けている。

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