くらし&ハウス

安心・安全

交際相手から暴力「デートDV」見過ごさない 若い世代、自ら考える取り組み

2014/7/22

交際相手から身体的、精神的な暴力を受ける「デートDV」について、若い世代が自ら考える取り組みが広がっている。手をあげる、束縛することは良くないと理解していても「恋愛は二人にしかわからないこともあるから」と見過ごされがち。話し合いを通して、対等な人間関係とは何かを理解する狙いだ。

「今度の日曜、映画に行こうよ」「ごめん、バイトなんだ」「お前!バイトと俺とどっちが大事なんだ」「でも休めないし」「俺がやめろって言うんだからやめろ!」「わかったわ」

■当事者の意識を

デートDVの寸劇を演じた男女6人が同級生に感想を語った(大津市の龍谷大学)

6月30日、龍谷大学社会学部(大津市)の1年生男女が壇上に立ち、デートDVをテーマにした寸劇を少し照れながら披露した。観客は同級生約120人。身近な事例を通して、相手に一方的に命令する行為は広く暴力に当たると理解してもらう1時間半の授業だ。1学科だけだが、必修科目とするのは珍しい。

出席した男子学生は「デートDVはデート中の暴力だと思っていた。『俺以外の男と口をきくな』という言葉も暴力だなんて」と驚いた様子。女子学生は「行き過ぎた束縛の悩みは相談しづらい。友人にも『愛されてるんだよ』と片付けられてしまいそうで。それは暴力だと指摘されてハッとしました」と話す。

龍谷大はデートDVの問題に取り組むNPO法人ウィメンズネット・こうべ(神戸市)の協力を得て、この授業を始めた。田村公江教授は「暴力は地域や家庭における重要な問題。男女を問わず誰もが被害者、加害者になりうるという当事者意識を持ってほしい」と指摘。学生の評判も上々だという。

デートDVの被害は少なくない。内閣府が2012年にまとめた調査では「10~20代の時、交際相手から暴力を受けたことがある」女性は13.7%、男性も5.8%に達した。女性の3人に1人は被害を受けても誰にも相談せず、相手が同意しないため別れられないケースが目立つ。

国は対応を進めている。今年1月、配偶者だけでなく同居中の交際相手から暴力を受けた場合にも保護をうけられるようにした改正法を施行。市町村の相談窓口設置も後押しする。ただ、当人が「これも暴力なんだ」と気づかなければ、問題は解決しない。

もりおか女性センター(盛岡市)は大学や専門学校生のボランティアを組織して、中高生向けのデートDV予防講座を開いている。学校の先生から「中学生でもデートDVがある」と聞いた田端八重子センター長は「大人が話しても退屈な説教になる。身近な先輩の話なら耳を傾ける」と判断。これまでに約65人の“伝道師”を養成してきた。

くらし&ハウス 新着記事

ALL CHANNEL