寝坊防ぐユニークな目覚まし時計
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転げ回るタイプや音工夫
春の陽気を感じるこのごろ、朝寝坊が心配な人も多いだろう。目覚まし時計といえば、デジタル式の電子アラーム音を使う製品が一般的だったが、最近は工夫を凝らしたユニークな製品が増えている。
一工夫あって目覚めのよい製品を専門家に選んでもらったところ、設定した時刻になるとテーブルから落ちて部屋中を転げ回る、ロボットのようなタイプが1位と4位に入った。
足利工業大学睡眠科学センターの小林敏孝センター長によると、「朝寝坊を防ぐには、目を覚ます動作として高い精度が求められる運動をするとよい」。これらの製品は、布団から出て転げ回る時計を止めるといった一連の動作が、目覚ましに効果的と判断された。
アラーム音に工夫をこらして、起きやすいようにした製品も多い。2位は音量を大きくすることで、いや応なしに起きるようにした。一方、3位は新幹線の車内アナウンス、4位は好きな楽曲と音声、5位は録音した声、7、8位は鳥の声や自然の音と、お気に入りの音をアラームに使った製品が並んだ。「恋人の名前や声など、その人にとって一番大切な情報が与えられると起きやすくなる」(小林さん)という。
時計の表示方式の違いで見ると、デジタル式の割合が多く、アナログ式は2、3位の2製品にとどまった。しかし、デジタル式でアラーム時刻を変えるのはそれなりに手間がかかるため、「頻繁に変える人はアナログ式がおすすめ」(選者の納富廉邦さん)という声もある。
また、寝付きが悪く夜中によく起きてしまう人は「バックライトやLEDが備わっていたり、(8位のように)音声で時刻を教えてくれたりする製品がよい」(選者の橋爪明子さん)。
目覚まし時計で気になるのは電池切れ。心配な人は、家庭用電源も使える6位、7位、9位のようなタイプを選ぶとよい。
睡眠の状態を感知する製品も
今回は価格の面で選外となったが、眠りが浅いレム睡眠の状態で起こす目覚まし時計もある。エレスが販売する「ブライトアップ・クロック」(1万5750円)は、設定時刻の1時間半前から朝日に近い光が点滅を繰り返し、目覚めたい時刻にレム睡眠の状態に導く。
このほか、ウェザリー・ジャパンの「スリープトラッカー」(2万4480円)やスターシステムズの「アクスボ」(3万9800円)は、体の動きから睡眠の状態を感知し、設定時刻から数十分前の範囲で最も目覚めやすい時刻にアラームを鳴らす。
調査の方法 目を覚ましやすい特徴、機能を持ち、大手の雑貨店や家電量販店で主に購入できる個性的な1万円未満の置き時計を、専門家や販売店の推薦により合計70商品、候補に選出。書類選考を通過した15商品を専門家が実際に使い、目覚めやすさや使いやすさ、価格などを基準に評価した。専門家は次の通り(敬称略、五十音順)
大石要司(ヤマダ電機ブランド商品部 部長)▽小林敏孝(足利工業大学睡眠科学センター センター長)▽島田富美子(睡眠改善インストラクター)▽東海林智大(東急ハンズ新宿店時計担当)▽田中寛子(渋谷ロフト販売促進)▽坪田聡(睡眠改善アドバイザー)▽納富廉邦(ライフスタイルライター)▽橋爪明子(睡眠改善インストラクター)▽橋本繁志(ビックカメラ有楽町店時計コーナー担当)▽藤本憲一(武庫川女子大学生活環境学部教授)
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