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恐怖の演出に汗かく化け物 イマどきお化け屋敷事情

2013/7/19

日本の夏の風物詩「お化け屋敷」が今、静かにブームになっている。各地に新設されるお化け屋敷には新しい趣向が盛りだくさん。背筋に寒けを感じさせる怖さで、暑さを一気に冷ます粋な舞台仕掛けは、エンターテインメントとして世界からも注目されつつある。お化け屋敷がうまれたのは19世紀初めの江戸時代。以来、進化し続けるお化け屋敷の舞台裏に潜入してみると、そこは寒いどころか、人を怖がらせるために汗にまみれるお化けたちの熱気に満ちていた。
昨夏、大阪市で開催された「梅田お化け屋敷2012 ゆびきりの家」

子供の時、あやこはお母さんと約束をしました。

「お利口に待っててね、ゆびきりげんまん」

でも、お母さんはいつまでたっても、帰ってきませんでした。

あやこは捨てられたのです。

そのときからあやこの小指は、次第に感覚がなくなり、ゆびきりをした形で動かなくなってしまいました――。

古ぼけた一軒家のお化け屋敷で、入場者は中に入る前に、こんなストーリーを聞かされる。そして「孤独に死んだあやこの亡きがらは、まだ布団の中にあります。布団の端からは、まだまがったままの小指が出ているので、彼女が成仏できるように、ゆびきりをしてきてください」と告げられる。

人気の原動力はライブ感

昨年の夏、大阪市の新梅田シティで企画された「梅田お化け屋敷2012 ゆびきりの家」。営業した59日間でのべ4万6000人の客を集めるヒットを記録した。最終日の行列は待ち時間が3時間を超えるほどで、お化け屋敷が今なお日本人に愛されるエンターテインメントであることを証明した形だ。

「ゆびきりの家」では、観客があやこの霊を成仏させるために彼女とゆびきりをするという使命をもって入場する

手掛けた毎日放送(MBS)事業局の荒井丈介プロデューサーは、「大阪では、吉本興業の劇場に大勢の人が足を運ぶ。笑いと怖さは、どちらも人間の基本的な感情。笑うライブに行くなら、怖いライブにも来てもらえるのではないかと考えた。人気は僕の想像を超えていた」とほほ笑む。

原動力は機械仕掛けではなく、人がお化けに扮(ふん)して脅かす演出。ゆびきりに象徴されるように、恐怖の中で生身のお化けと接するライブ体験が多くの観客をひき付けた。

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