2013/5/18
立ち仕事が多い販売員のため、社内に整体師が常駐するマッサージルームを用意したADEAMのオフィス(東京・銀座)

「新設のオフィスビルを中心に、女性が喜ぶスペースを設ける例が増えている」と内装設計大手、丹青社の湯沢幸子プランニングディレクターはみる。通路脇におしゃべりコーナーをつくるという、ユニークな事例も出てきた。「気分転換したい、前向きに仕事がしたい、という女性のニーズに応えるためだろう」

盲点は意外なところにある。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)は昨年10月、衣類の消臭装置を従業員用喫煙ルームに設置した。装置の前に数秒立つとヒノキのような香りが吹きつけられる。「制服の上にフード付きのパーカーを着て、髪や服に臭いがつかないよう気にしながらたばこを吸っている女性が多かった」(島田治総務担当マネージャー)ためだ。

旬の野菜や魚などを使い、バランスの良い食事を提供するあきゅらいず美養品の社員食堂「森の食堂」(東京都三鷹市)

女性好みの職場を追求するのが婦人アパレルのフォクシー(東京・中央)。新ブランド「ADEAM」のオフィスの休憩室にはソフトクリームサーバーがある。整体師が常駐し、夕方に軽食がつまめ、トイレも広々。「女性にモノやサービスを提供する仕事だからこそ、何が女性にとってうれしいのか、社員が常に考えられるようなオフィスにしたかった」と前田華子クリエイティブディレクターは明かす。

職場は「あるべき生活スタイルを学ぶ場でもある」。スキンケア商品通販、あきゅらいず美養品(東京都三鷹市)の南沢典子社長はこう話す。畳敷きの休憩スペースにハーブティーなどのお茶とドライフルーツを常備。ハンモックに揺られながら足裏のツボを刺激するリフレクソロジーを受けられ、社員食堂では旬の食材をバランスよくとれる食事が提供される。

「社員が会社でも偏った食生活をしているのが気になっていた。化粧品だけに頼らないスキンケアを実践してほしかった」(同)。食生活を見直し、健康への意識を高めた社員が増えた。女性の心に響くオフィス改革が、会社固有の風土を育んでいる。(黒井将人、井土聡子)