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変わるオフィス 女性目線の化粧室、ソフトクリームも 「居心地」の良さが「やる気」に

2013/5/18

 女性目線の設備を整えたオフィスが続々登場している。机の配置やデザイン性の追求から一歩進み、「歯磨き」「消臭」というこれまで盲点だったニーズをとらえているのが特徴。働く意欲を引き出すヒントは意外なところに隠れていた。

そごう横浜店の女性従業員用パウダールームは昼食後などの混雑時も余裕の広さ(横浜市)

 2012年、そごう横浜店(横浜市)が大改装した女性従業員向けパウダールーム。白と焦げ茶で統一した空間には観葉植物が飾られ、壁一面を鏡が取り巻く。

 シンクの深さは約55センチメートルと深めで歯磨きがしやすい。「口をゆすいでも服に水がはねない」と「イプサ」ブランドの化粧品を販売する人見貴子さん。30人が並んでも余裕の広さだ。明るい雰囲気のパウダールームは「気分が高まり午後もがんばろうと気合が入る場所」。

 百貨店の最重要スペースといえば売り場で、従業員用設備は二の次になることが多かった。「改装のベースにあったのは『ES(従業員満足)がなければCS(顧客満足)はない』という考え方」と総務部の手塚徹人事担当部長は話す。

 取引先を含めると同店では6千~7千人が働き、そのうち約8割が女性だ。かゆいところに手が届く環境を整備すれば、「女性が働き続けたいと思い、結果として経験豊富な販売員が店に増える」(同)。

深めのシンクを採用した女性従業員向けパウダールーム(横浜市のそごう横浜店)

 女性社員比率が上がる中、オフィスはどうあるべきなのか。カギとなるのは女性ならではの視点だ。「個人のロッカーを用意するだけではだめ。男女別に分かれていなければ、ロッカー前で上着を着替えたり靴を履き替えたりしにくいから」(大手PR会社の女性)

 男性が多い企業でも模索が続く。東京都港区にあるパナソニック東京汐留ビルではビル建設前にアンケートを実施し、女性社員の要望が多かった歯磨き用シンクと全身を映す鏡を設置した。ヘアアイロン用の複数のコンセントもあり「身支度しないまま出社しても化粧や髪の手入れができる」。社員からはそんな声が上がる。

 オフィス改革の定番といえば机のレイアウト変更やデザイン性で、コミュニケーションのしやすさや生産性の向上が狙いだった。最近では、休憩室といったバックヤード部分に目が向く。会社の「居心地」が社員のやる気に直結すると気づいたからといわれている。

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