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職場の知恵

「やりがい」求めて 就職先はソーシャルビジネス

2013/6/19

「将来のキャリアにもつながるはず」

社会起業支援のエティックに入った山田さん(右)

キャリア形成という面でも明確な目的意識を持つ人が目立つ。社会起業家支援のNPO法人エティックに今春入った山田諒さん(24)は大学院で環境教育を学んだ。周囲の多くは研究者や大企業への道を選んだ。それでも「大手メーカー勤めの父も『大企業だから安泰というわけではない』と言うし、実際そう思う。この選択は将来のキャリアにもつながるはず」と話す。

コンサルティング会社アクセンチュアで多国間買収に携わった経験も持つエティックの先輩、石川孔明さん(29)は「就職でも転職でも、ギリギリに追い込まれても何とか自分で食べていける自信のある人たちが飛び込んできている」と分析する。社会問題に最前線で向き合う実感に突き動かされているようだ。

もちろん最初から強い確信を持って働き始める人ばかりでもない。「ソーシャルビジネスを意識して入ったわけではなかった」と映画館や地域イベントを手掛けるNPO法人宮崎文化本舗(宮崎市)の山内研二さん(28)は話す。高校を卒業してアルバイト生活を送っていたが、映画好きだったので映画館に就職するつもりで門をたたいた。7年目になる。

生活の糧を稼ぐのは容易でない

ソーシャルビジネスを意識したのは入ってから。NPOの起業支援や地域イベントの運営、被災地ボランティアなどにかかわった。「社会や地域の課題を解決する活動が続いていくことが大切。そのために食べていけるくらいの利益は出さないといけない」。自ら漫画・アニメやコスプレを楽しむイベントも企画。文化を切り口にした地域貢献にやりがいを感じている。

社会や地域のための仕事だけで生活の糧を稼ぐのは容易ではない。高齢者支援のNPO法人への就職を考えていた埼玉県に住む男性(26)は「結婚や子どもを考えると続けられない」と断念したという。起業に至るのも一握りだ。ただ一定の収入さえ伴えばソーシャルビジネスで働きたいという潜在需要は大きくなっている。こうした選択をどう評価し、どう支えていくかを社会が問われている。

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