道の駅「受け入れ拒否」12%

車中泊旅行者が増えるにつれて、マナー問題への対応も必要になった。東北地方の道の駅や自治体でつくる「東北『道の駅』車中泊研究会」が、2010年に道の駅を対象に実施した調査では、車中泊を「条件付きで受け入れたい」が最も高い44%で、「受け入れることができない」という回答は12%だった。

「車中泊の車が駐車場にあふれ、トイレに行けなくていつも困る」(神奈川県藤沢市の68歳の女性)という声もあり、道の駅の中には夜間を完全閉鎖する施設や車中泊禁止を呼びかける看板を設置する施設もある。関東以北のサービスエリアを管理する東日本高速道路(東京都千代田区)も「本来は旅行する人が休息をとる休憩施設。宿泊を想定した場所ではない」と強調。車中泊を原則として認めていない。

受け入れに慎重な理由は明確なルールなどが今のところないためだ。東北「道の駅」車中泊研究会の調査結果でも、道の駅の事業者からは基本的なルールを求める声が上がり、「連泊禁止」や「届け出」など社会的なマナーだけでなく管理を求める要望も多かった。

駐車場での車中泊に関しては防犯面を心配する声もある。一般社団法人、日本オートキャンプ協会の堺広明業務課長は「道の駅などはキャンプ場と違って基本的に夜間は管理人がいない。夜中に暴走族の徘徊(はいかい)や、車上荒らしなどの心配がある」と話す。

車中泊研究会の調査に携わった多摩大学総合研究所の松本祐一准教授は「道の駅などの駐車場はあくまで公共の場。旅の恥はかき捨てという意識ではどの施設も車中泊を拒否してしまう。快適に旅行を続けるためには最低限のマナーを守り、ゆとりを持って行動すべきだ」と訴える。

エコノミー症候群にも注意 足を伸ばし水分補給
夏場の車中泊では健康面の注意が必要だ。エンジンを切った状態では熱中症の危険性もあるが、何より怖いのがエコノミークラス症候群だ。旅行時の医学を研究する「日本旅行医学会」(東京都渋谷区)によると、狭い車内で長時間にわたって足を曲げた状態が続くと、足の血管が圧迫されて血栓ができる危険性がある。
エコノミー症候群は旅行後1週間から1カ月たって症状がでることもあり、命を落とす危険性がある。特にお盆の帰省シーズンは長距離の移動に加え、渋滞になれば長時間同じ姿勢を強いられることがある。
日本旅行医学会の篠塚規専務理事は「まずはこまめな水分補給を心がける。車内で寝泊まりするなら、足を伸ばすことができる環境を整備すること」が予防の第一歩という。その上で「足にケガをしている人や肥満・高血圧の人は、症状を誘発しやすいので、できるだけ車中泊を避けるべきだ」と注意を促す。
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