マイケルが凋落? 米名前ランキング100年の変遷編集委員 小林明

表2-1

では、過去100年(1912~2011年)の人気ランキングはどう推移してきたのだろうか?

2は米国で生まれた赤ちゃんの名前(男子)の人気ランキング上位5位についての一覧表である。時代の移り変わりに応じて、名前の流行もそれぞれ変遷している様子がよく分かる。

ざっくり言えば、1番人気の名前はJohn(ジョン)→Robert(ロバート)→James(ジェイムズ)→Michael(マイケル)→Jacob(ジェイコブ)が大きな流れ。

時代別に特徴をまとめてみると……

●第1次・第2次世界大戦(~1945年)

John(ジョン)→Robert(ロバート)→James(ジェイムズ)と首位が変わるが、トップ5位はJohn(ジョン)、William(ウィリアム)、James(ジェイムズ)、Robert(ロバート)、Joseph(ジョゼフ)、Charles(チャールズ)、Richard(リチャード)などが常連。顔ぶれは比較的安定している。



表2-2

●大戦終結・朝鮮戦争・ベトナム戦争(1946年~70年代)

James(ジェイムズ)→Michael(マイケル)と首位が推移。朝鮮戦争がぼっ発した50年ごろから勢いを伸ばしたのがMichael(マイケル)やDavid(デイビッド)。これらの代わりにWilliam(ウィリアム)やRichard(リチャード)が後退した。戦後の「ベビーブーマー世代」が生まれた時期にあたる。

●ベトナム戦争・冷戦の終結、一極支配(1970年代~2000年)

Michael(マイケル)が首位を独占する黄金期。ニクソン・ショックが起きた1971年ごろからChristopher(クリストファー)やJason(ジェイソン)なども台頭。80年代以降はMatthew(マシュー)やJoshua(ジョシュア)なども上位に食い込んだ。



●同時多発テロ以後(2001年~)

表2-3

Jacob(ジェイコブ)がMichael(マイケル)から首位を奪取。Ethan(イーサン)の上昇も目立つ。直近ではMason(メイソン)、Jayden(ジェイデン)、Noah(ノア)などの新顔もランク入り。新たな潮流が生まれそうな兆しも……。

特徴を理解しておくと、例えば、Jacob(ジェイコブ)だったら「90年代末から流行し始めた今どきの名前」、Christopher(クリストファー)だったら「80~90年代にピークを迎えた名前」などと推測できる。James(ジェイムズ)だったら「40年代にピークを迎えた名前」、Richard(リチャード)だったら「30~40年代にピークを迎えた名前」などと見当がつく。

同じように日本人の場合では「大輔なら80年代に流行した名前」、「誠なら60~70年代に流行した名前」などと推理できる法則がある。こうした時代感覚によく似ているわけだ。もちろん法則にも多くの例外があるだろうが、知識として知っておいても損はない(日本人の名前の流行についてはこのコラムの過去の記事を参照してください)。

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「新鮮さ」が流行の原動力?
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