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職場の知恵

まずは「雑談力」から 若者就活、支援の現場

2012/9/18

若者の失業率が高止まりしている。仕事に就いても長続きせず、度重なる面接の失敗で自信を失っていく若者は多い。「負の連鎖」は断ち切れるか。若者無業に立ち向かう現場を訪ねた。

セミナーで対話力を上げ、就労に向けて一歩ずつ準備をする(東京都足立区のあだち若者サポートステーション)

■他人との会話は苦手

JR北千住駅から徒歩10分弱の「あだち若者サポートステーション」(東京・足立)は、厚生労働省の委託で15~39歳の就労を支援する施設だ。平日の午後1時に始まったセミナーには、主に20代の男女11人が参加した。この日のテーマは「雑談上手になろう!」だ。

「風邪をひいて1週間寝込みましたよ」「大変ですね。ご飯は食べていましたか」「はい」「よかったですね」

「風邪をひいた」など架空の場面を設定し、2~3人で会話を続ける。参加者の多くはぎこちなかったが、講師が「表情とあいづち、目線を意識して」と笑顔で助言すると表情が少し和らいだ。

サポステは大学や高校の既卒者や中退者で、初めて仕事に就こうとする人や離職した人の利用が多い。雑談セミナーは就職支援と関係がなさそうだが、あだちサポステの長谷川晃総括コーディネーターは「面接や履歴書添削が必要な人もいれば、引きこもりから抜け出したばかりで他人と話すことすら苦手な人もいる」と話す。

コミュニケーションのセミナーは、対人関係に悩む人からビジネスマナーを身につけたい人まで目的別に用意。アルバイトに就くために面接を申し込む電話の練習から始める「アル活セミナー」や、志望業界の知識を深める座談会までプログラムは豊富だ。

「靴の種類によって包装紙が違うので、気をつけて箱詰めをしてます」。Aさん(19)は足立区内の靴工場で1日数時間、秋冬物のブーツの出荷前作業に黙々と取り組む。サポステのプログラム「あだち仕事道場」に参加中だ。

■「ハローワークはおっさん多い」

働きたいけど、まだ1人で仕事に行く自信はない。そこでサポステのスタッフが業務指導をしながら、2人1組で同じ仕事をする。隣に知っている人がいる安心感の中で、最長6カ月、実戦的に仕事を経験する取り組みだ。長谷川さんによると「(スキルや心理面で)正社員就職を目指せる状況にあるのは、来所者の4割ほど」。来所者は自分に必要なスキルは何か、スタッフの助言を得て考える。

あだちサポステに隣接するハローワークを初めて訪れたBさん(21)。都立高校を卒業してコンビニで2カ月間バイトをしたが「職場の人となじめず」無職になった。その後バイトの面接は6連敗。「なんとかしたいけど、ハローワークはおっさんが多くて相談しにくい雰囲気」で、そのまま帰宅した。内閣府が15~29歳を対象に実施した調査では、全国で100カ所以上あるサポステの認知度は7%どまり。必要な支援がどこで提供されているかすら、若者には十分に伝わっていない。

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