先生は宇宙戦艦ヤマト・ガチャピン…科学イベント続々

加えてコンテンツを提供する側の事情もある。キャラクターなどの業界に詳しいキャラクター・データバンク(東京都港区)の陸川和男社長は「キャラクターの人気保持のため、常にリアリティーを持たせることが欠かせなくなった」と指摘する。ネットで何でも調べられる時代だけに、どんなに人気があるコンテンツやキャラクターでも、考証が不十分だとファンはいずれ離れる。そこで企画展示や講演で最新の科学技術などをアピールし、コンテンツの鮮度を維持する動きが広がっているという見方だ。

ショーの終幕ではガチャピン(左)とその祖先(中央)がそろい踏みし、生命進化に子供らの関心を引く(C)フジテレビKIDS

フジテレビジョン(東京・港)が9月1日まで開催していた科学イベント「ガチャピン創世記・恐竜時代へGO!」は、その典型といえる。子供向け番組でおなじみのキャラクター「ガチャピン」が恐竜の進化などを子供にわかりやすく紹介するショーだが、実はガチャピンが恐竜の子供だということを知っている人は多くなかったはずだ。

企画したフジテレビKIDS(同)は、ショー開催の前に、ガチャピンの「進化の調査」を世界三大恐竜博物館の一つとされる福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)に依頼。今年2月には会見を開き「ステゴサウルスなどの仲間にあたる剣竜の子孫」だったと発表した。同館の専門家がガチャピンの背びれや前脚にある丸いイボなどの身体構造から、剣竜との類似を理論的に推察。剣竜の生息地域や大陸移動まで勘案し「かつて洋上にあったインド大陸の一部が剣竜を乗せたまま大陸移動で小島となり、独自の進化をたどった可能性がある」との見解まで加える演出で、40年前からの人気キャラクター、ガチャピンに恐竜世界への案内役という新たな魅力を与えた。

かわいいキャラクターショーに見えて「隕石(いんせき)衝突による恐竜絶滅」なども盛り込まれたショー(C)フジテレビKIDS

ショーも恐竜に関することばかりでなく「大陸が現在のように分かれる前の巨大大陸パンゲア」や「約6600万年前の隕石(いんせき)衝突」など、太古の地球と生物の変化を知るキーワードが随所にちりばめられ、充実した内容。演出の効果もあり、多くの親子連れを集めた。フジテレビKIDSは今後も夏休みなどにショーを全国で展開していく方針だ。

幼いころ、宇宙戦艦ヤマトなどテレビで見たエピソードから科学への知識を得て、未来の夢を描いた覚えがある親世代は多いだろう。それを思い出しながら、最新の知識を我が子と語り合えば楽しい時間になることは間違いなし。大人にとっても新しい学びの場として広がっていきそうだ。(生活情報部 堀大介)

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