1 イルマメグミ隊長
2 ヤナセレナ隊員
3 ユミムラリョウ隊員
4 佐々木敦子隊員

5 水木忍副隊長
6 西条凪副隊長
7 コイシカワミズキ隊員
8 カザママリナ隊員

写真はすべて(C)円谷プロ

後半の歴史も追い掛けてみよう。表は「ウルトラマンティガ」から「ウルトラマンメビウス」まで、96年から2007年までの流れをざっくりとまとめたものだ。

肩書、職歴、学歴も男性以上に

まず衝撃的な変化は、96年放映開始の「ウルトラマンティガ」。

イルマメグミ隊員(写真1)が、なんとシリーズ初の女性隊長になっているのだ。待望の女性上司の誕生である。特捜チーム「GUTS」ではすべての男性隊員が部下として働いている画期的な設定だ。

彼女の略歴を紹介しよう。36歳。元防衛軍特殊部隊の副隊長。科学者としても、パイロットとしても超一流。死別した夫との間に息子がいるが、自らの仕事が多忙のために別居を余儀なくされている……。この設定はもはや女性キャリアにほかならない。おそらく、人には相談できない心の悩みや揺らぎを抱えているのだろうが、職場ではつねに冷静沈着。強い責任感と卓越した洞察力で部下から全幅の信頼を集めている。そんな上司像が描かれているのだ。

もう1人の若手女性隊員ヤナセレナ(写真2)も隊員養成所を首席で卒業している22歳のエースパイロット。これもれっきとした女性キャリアである。男性隊員以上に活躍を期待されている逸材だ。

男女雇用機会均等法が施行されたのが86年のこと。世の中ではすでに女性キャリアも女性上司も珍しい存在ではない。そんな時代背景を反映させているわけだ。

副隊長、ハーフ、特殊技能も

以後、エースパイロットなどの職務は当たり前になる。98年放映開始の「ウルトラマンガイア」ではついに史上初の女性だけのパイロットチームも誕生。もはや男性も女性も関係なく、実戦でバリバリ活躍する時代に突入した。さらに、このシリーズではオーストラリア人とのハーフであるジョジー・リーランド隊員も登場。職場の国際化もさりげなくドラマに取り入れている。

01年放映開始の「ウルトラマンコスモス」や04年放映開始の「ウルトラマンネクサス」では、女性の副隊長(写真5、6)も常態化するようになった。また、06~07年の「ウルトラマンメビウス」では特殊技能を備えた女性隊員(写真8)も目立ってくる。これは派遣社員が増え、どんな職場でも活躍できる社員が求められるようになった時代背景とも重なる動きだと言える。

最新作となる「ウルトラマンギンガS」では杉田アリサ隊員が実戦におけるリーダー格という設定。特殊車両の運転にもたけている。最新作でも女性の社会進出の流れをきちんと受け継いでいるわけだ。

いかがだろうか? 子ども向け番組といえどもなかなか侮れない深みとウンチク、そして社会情勢の興味深い変遷がはっきりと読み取れるのだ。

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