エンタメ!

裏読みWAVE

陽子、愛、美咲… 名前で分かる女性の生まれ年 編集委員 小林明

2011/6/10

名前を聞いただけで生まれた時代をズバリと言い当てる――。

名前の流行の変遷や法則をきちんと頭に入れておけば、こんな芸当も決して夢ではないらしい。少なくとも、行きつけのバーや同僚との酒席、合コンなどでは格好の話題になるという。

そこで、男性名の変遷について紹介した前回に続き、今回は過去約100年分の女性名の流行について分析してみた。名前の流行を探ると、各時代の世相や社会的現象、意外な嗜好(しこう)の移り変わりまでもが浮かび上がってくる。

表1は過去99年分の女性名の人気ランキング首位の変遷(明治安田生命保険調べ)である。推移を眺めると、千代・文子→和子→恵子→美のつく名前(久美子・由美子・明美・直美)→陽子・智子→愛→美咲→さくら・陽菜……という大きな流れが読み取れる。まず、これを押さえておくことが「名前学」の第一歩となる。

では、時代を追いながら簡単に説明しよう。(巻末に過去99年分のトップテンを掲載してあるので適宜、参照してください)

●「千代」「文子」時代(明治45年・大正1年~大正12年)=大正期

大正時代は「千代」と「文子」が代表的な女性名。「千代」は「千代子」とともに長寿を願う縁起の良い名前。大正期前半は「千代」、後半は「文子」が首位に立つ。大正期初めは年号の「正」にちなんだ「正子」もブームに。この時代、男性名では「清く生きる」という道徳観・人生観から「清」が全盛期を迎えるが、その女性版ともいえる「清子」「キヨ」も上位に食い込んでいる。

●「和子」時代(昭和2~27年)=昭和初期

昭和に入ると年号にちなんだ「和子」が黄金期を迎える。戦前、戦後合わせて通算23年首位。これはすべての女性名で最長記録。「和子」に次いで人気が高かったのが「幸子」。「1位和子、2位幸子」というワンツー・フィニッシュが計16年も続く。家庭や近隣との「和」を重んじ、「幸」を願うという当時の典型的な女性像がうかがえる。

皇紀(神武天皇即位の年を元年と定めた紀元)2600年を祝った昭和15年(1940年)には「紀子」が首位に浮上。(戦争末期には「勝子」「信子」など戦時色がにじむ名前も上位に入った)

●「恵子」時代(昭和28~36年)=戦後

終戦後、急速に増えたのが「恵子」。昭和21年(1946年)に9位に入って以来、グイグイと順位を上げ、昭和28年(1953年)に「和子」からトップの座を引き継いだ。敗戦後の焼け野原から立ち上がり、経済的な豊かさを求めようという世相の反映と思われる。ちなみにヒット映画「君の名は」の主演女優、岸恵子さんらもこの時代から活躍している。

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL