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人気の「熟成肉」、選べますか? 製法・価格に差

2014/6/11

寝かせてうまみを増した「熟成肉」を目にする機会が増えてきた。肉専門店だけでなく身近な外食店のメニューにも登場。百貨店などで買って家庭で味わう人も多い。だが、熟成肉といっても製法は様々あり、価格もそれぞれで異なる。「熟成」の違いを十分に知って買い求めることが大切だ。
伊勢丹新宿本店の催事にも熟成肉の塊がお目見えし、注目を集めていた

「赤身が好きなので一度試したら、甘くてやわらかくて」。5月下旬、伊勢丹新宿本店(東京・新宿)の催事コーナーでお目当ての熟成肉を手に入れた西沢まさ子さん(71)は満面の笑顔で話した。

肉の熟成は牛や羊、ジビエ(シカやイノシシなどの野生鳥獣肉)といった赤身の多い肉をおいしく食べる技術。酵素の働きで肉のタンパク質がアミノ酸などに分解され、肉質がやわらかくなり、うまみも増す。そのため、最近は「熟成」をうたった牛肉が外食店のメニューになり、消費者も関心を高めている。 

さの萬では低温・高湿を保ち、常に風を当てながら肉を熟成させる(静岡県富士宮市)

ただ、熟成方法は一通りではない。昨今の熟成肉人気のきっかけの一つは「ドライエイジング」と呼ばれる製法の広がり。本場米国で製法を学んだ食肉販売のさの萬(静岡県富士宮市)の佐野佳治社長によると、同社で使うのは主に赤身の多い短角牛やホルスタインの肉。温度1度前後、湿度70%前後に保った冷蔵庫で、付着させる微生物に気を配りつつ扇風機で風を当てて余計な水分を飛ばし、45日程度かけてうまみを凝縮させるという。冷蔵庫に入ると並んだ肉の表面は黒ずんでおり、普段目にする鮮やかな赤とは対照的。周囲にはナッツのような甘い香りが漂っていた。

一方で精肉店の伝統的な熟成法もある。東京・田園調布で2008年に開店した熟成肉専門店「中勢以」では、黒毛和牛(但馬牛)を一頭買いし、枝肉のまま、低温高湿で風を当てずに60日間程度熟成させている。一番よいころ合いを見定め、肉の状態と合う調理法を説明して売っている。

伊勢丹の催事に参加した小島商店(東京・葛飾)は、和牛を枝肉のまま低温高湿の状態で3週間ほど熟成させて店頭に並べる。東京中心に焼肉店「エイジング・ビーフ」やステーキ店を展開する新和(東京・北)も枝肉を使うが、熟成期間は40日程度という。

手ごろな値段で熟成肉を提供する外食チェーンの多くが採用する熟成法は、さらに違う。「ウエットエイジング」と呼ばれ、真空パックや布で巻くなどして肉の乾燥を抑えつつ、低温で寝かせる方法だ。

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