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ネットゲームに400万円 「子どもの金銭感覚」親にも責任

2012/6/12

 見えないお金は電子マネーだけではない。インターネット上にはソーシャルゲームなど一見無料のようで、お金がかかるサービスがあふれている。子どもたちにはそれらの多くが魅力的に映る。突然の高額請求に驚く前に、親が知っておくべきことは多い。

 「限度額いっぱいでもう使えません」。昨年秋、高校2年の息子を持つある母親は、クレジットカードを使おうとした時、店員から思いもよらぬ宣告を受け驚いた。同じころ、夫にもカード会社から「一晩に何回も決済されているが大丈夫か」との警告の電話があったという。

 不審に思い息子にただすと、親名義のカード5枚を無断で使い、携帯電話からネット上のソーシャルゲームをしていたと判明。2カ月間で使った料金は約400万円に達していた。

 原因は「コンプリート(コンプ)ガチャ」。先月、消費者庁が景品表示法違反にあたると判断し、ソーシャルゲーム大手が廃止したアイテム商法にはまっていた。ゲームを有利に進める希少なアイテムを手に入れるため、「ガチャ」と呼ばれるくじを1回数百円で購入。アイテムをそろえようと何度も繰り返すので、高額の料金を費やす例が続出している。

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 国民生活センターの調べでは、無料をうたうオンラインゲームに関する相談は年々増えており、2011年度は840件。このうち未成年者が絡むものは286件、34%を占める。小学生が111件と最も多い。

 今や小学生も2割が携帯電話を持ち(内閣府調べ)、ネットへの接触は常態化している。でもバーチャルな世界でかわされるお金は、全く見えない。「オンラインゲームは親のカードを使ったり、携帯電話料金に上乗せされたりして、お金を持たなくてもできる。子どもは現実のお金が使われていることを意識していない」と同センターの水越智子さんは解説する。

 実際、コンプガチャが廃止されても、使い方に注意が必要な仕組みはなお残る。たとえば、ガチャには1回300円が11回3千円でお得、とうたう「11連続ガチャ」まである。「クリックして3千円をするのにわずか2秒。パチンコより早い。パチンコは財布からお金を出すが、ネットでは感覚がマヒするのだろう」。電子商取引に関する消費者相談を受けている社団法人ECネットワークの原田由里理事はこう批判する。

 同理事は、ゲーム会社は今後もお金を払わせる新サービスを必ず出してくると指摘。それゆえ「親は子どもがそういう環境にあることを知って、関心を持ってほしい」と呼びかける。

 本来、親がきちんと子どもにお金の管理法を教えていれば、トラブルは防げるはず。だが、厳しい見方もある。ベネッセ教育研究開発センターの樋口健主任研究員は「今の親たちは意識が弱い」と指摘する。

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