一方で「不慣れな管理職層も困る」というのは、都内の30代の男性会社員。出張中に他部門の部長から「出張か。じゃあA社訪問かな」と書き込まれた。書き込みは匿名ながら「取引先が見れば推測できるのではとヒヤリとした」という。

社員の個人的なソーシャルメディアの利用について「表現の自由があるため、会社として禁止するのは難しい」と情報管理が専門の岡村久道弁護士。企業は早急に利用ガイドラインをつくるべきだという。「自社にとっての営業秘密は何かなど、基準を明確に示す必要がある」。役員、社員からアルバイトまで徹底することが求められる。最悪の場合「不用意な書き込みにより情報漏洩や名誉毀損などで社員や企業が訴えられるリスクもある」。

こうした中、社内規定をつくる動きが広がってきた。ヤマハは2010年10月にソーシャルメディアのガイドラインを設けた。「これまでホームページやブログの社員利用ルールを定めていなかったが、ツイッターで利用層が一気に広がり社内規定が必要になった」(WEB・IT推進室長の鞍掛靖さん)

音楽業界の自由な社風に鑑み、実名・社名入りで利用するかは「個人に委ねる」。従来の法令順守の行動規範に加えて「会社の公式見解のように書いてはいけない」といった事項を明記し、「会社にダメージを与えた場合は、懲戒対象となることもある」とした。

NG例を明示

ソフトバンクでは孫正義社長が率先してツイッターを使い、社員にも利用を促す。秘密保持など適正な運用のため、ソーシャルメディアの利用マニュアルを用意。書いてはいけない文例を豊富に提示する。「売上高○兆円達成!」「明日、すごい発表があります」「販売マニュアルには『……』という記載があります」「芸能人の○○さん、来店なう!」などだ。

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