NPOで「慣らし運転」 ママインターンで仕事復帰

2014/2/10
ママのみなさん、出産・育児で離れた仕事への復帰に向け、NPOで慣らし運転をしてみるのはどうでしょう? 優秀な人材が欲しいNPOを手助けするのは社会貢献につながるし、新たな知識や人脈が復職後に役立つかもしれません。そんな「ママインターン」「ママボノ」といった新しい試みが、始まっています。
ママインターンとしてNPO法人カタリバで働く高橋和恵さん(中)

「うつの入り口かもね」。カウンセラーのひと言に、高橋和恵さん(37)は動揺した。昨年初めのことだ。

3年前に長女を出産。妊娠を機に、文化施設の運営・企画会社を退社していた。女性が多い会社で、転職してきた時には出産後も働けると思っていたが、子どもを産んで働き続ける人はゼロ。時短やシフトで対応してくれるような動きも見えない。「冷たく感じて」辞表を出した。

出産から3カ月、早くも仕事をしたい気持ちがわく。ただ、子どもを抱え、身動きがとれない。「置いてきぼりにされ、自分の成長が止まっている感じ」。気持ちは沈み、夫婦げんかも絶えなかった。顔に出ていたからだろう、地元・三鷹市で子どもの健診を受けた際、保健師から自分も受診を勧められた。そこで「うつ」の言葉。「衝撃だった」

そんな時、NPOで短期間無給で働く「ママインターン」を募集していると人づてに聞く。20代後半から4年ほど、児童養護施設の子どもに勉強を教えるボランティアをしたことがあり、NPOには興味を持っていた。飛びついた。

NPOも助かる

紹介されたのはカタリバ(東京・杉並)。高校生向けにキャリア学習プログラムを実施し、東日本大震災の被災地では子どもの学習支援や心のケアもしているNPO法人だ。ここで昨年3月から2カ月、週3回、午前10時~午後2時の4時間勤務で働いた。

助成金関連の書類を作り、プログラムに参加する大学生らの情報をクラウドシステムに入力、仕事のマニュアルもまとめた。次第に「私でもこういう活動に貢献できる。まだ価値があるかもしれない」と思えるように。10月には2人目を出産、今も子育て中だが「いずれ働きたいという気持ちはカタリバで固まった。託児のメドがついたら、また社会に出たい」と話す。

NPOで子育て女性が働くママインターン制度を仕掛けたのは、NPO法人のアローアロー(東京都国分寺市)だ。女性が出産・育児からきちんと活躍できる戦力として復職することを支援している。代表の堀江由香里さんが復職を目指すママたちに聞くと、仕事内容よりも「自分が役に立つのか、自信を失っている」ことの方が問題だと分かる。

一方、自身がNPOを立ち上げて知ったのは、NPOは常勤スタッフが少なく、平日昼間に専門的なスキルを持つ人が不足しているということ。ボランティアに助けられているが、勤め人は平日夜や土日が中心で、平日昼があく学生ではスキルが足りない。

ならば、かつて企業で働き、今は平日昼に時間がある子育て女性に手伝ってもらえたら、復職に向けた助走ができ、NPOにとっても人手不足解消になる。「ウィン・ウィン」の関係が可能だ。

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