その後、他社からも続々と新製品が登場し、ミラーレス一眼の選択肢が広がったことも人気の理由の一つ。「ミラーレスが登場したばかりのころは、高級モデルしかなく女性には敷居が高かった」(檜山さん)。コンパクトデジカメと似た感覚で買えるようになったこともカメラ女子を後押しする。
講師が優しい言葉で撮影のヒント伝授
撮影会から約1週間後の夜、講評会が行われた。撮影会で撮った写真から、選んだ自信作を3~4枚プリントして持ち寄る。デジカメで撮影した写真をプリントするのは初めて、という人も多い。
講評会では一人ひとりが前に出て、どんな写真を撮りたかったかを説明していく。「白金の人、意外に地味。赤い傘の人がくるまでずっと待っていたんですよ」「うちでは、後ろがぼけている写真を芸術写真っていうんですけど、これは上手にぼけたと思います」「ここに水たまりがあったんですが、うまく写らなくて」「よく撮れたと思ったんですが、プリントしたら、後ろに青いバケツが写っていて」――。
参加者、次の作品への意欲高まる
一人ずつの作品について鶴巻さんがていねいに講評する。「この場合は、少し斜めに撮ると印象が違ったかも」「『被写界深度』をもう少し深くしたら、パスタの後ろにあるアサリまでピントが合って料理全体の雰囲気が感じられたんじゃない」「『露出補正』をプラスにして明るくすると、被写体の良さが伝わると思う」。それぞれの写真のいいところに触れながら、講座で教えた専門用語を交えながら撮影のヒントを優しい言葉で伝えていく。
最後に全員の作品をテーブルに並べ、自分以外の作品でいいと思うものを投票する。生徒に人気だった作品と鶴巻さんが選んだ作品で金銀銅を決めて、3回構成の写真教室は終了した。
初めて講習会に参加した渡辺一代さん(41)は、これまでコンパクトデジカメしか使ったことがなく、昨年ミラーレス一眼を購入したばかり。ずっとオートモードで使っていたが、今回の講習で、撮影モードの使い方を初めて知ったという。講評会が終わった後、次にどんなレンズを買えばいいか、講師の鶴巻さんに熱心に質問していた。
後日どうしたかと尋ねると「新たに14~45mmのズームレンズを買おうと思う」とのこと。新しいレンズで「料理」をきれいに撮りたいそうだ。
(編集委員 大谷真幸)