気づけば汗まみれ クールビズは不自由?
なぜか長袖、男の仲間入り
腕まくりしても長袖は暑い。暑いのになぜジャケットを着る。いつの間にかお気の毒な人たちの仲間入りをしているのはなぜ?
クールビズが騒がれている割に、オフィス街では夏でも、男女を問わず判で押したようなスーツ姿の若手社員をよく目にする。多分、営業職なのだろう。これは厳しい就職戦線で無難なスーツ姿を強いられてきた後遺症なのだろうか。
いやいや、我が身を振り返れば、若手の話にとどまらないことは確か。経済の停滞で職場の規律が厳しくなり、女も「不自由な男たち」のオキテに従わざるを得なくなったのか。社会人マナーが厳しくなったのか。
昨年登場した女性向けクールビス衣料は売れているらしいが、みんな心から望んで着ているのかな。不自由な夏は真っ盛り。
美尻チェックと言われても
かりゆしやポロシャツもOK――。クールビズを進化させた装いを環境省は提唱する。だが、そんな姿の男をオフィス街ではとんと見かけることがない。
よく見ればデザインがしゃれたシャツの人はいる。だが「上着とネクタイを外しただけ」。そんなかげ口が女性陣から聞こえそうな男が目立つのは確かだ。
それでも多少なりとも気をつかっているんだ。ランニングシャツを封印し、半袖の下着というのもそう。多少暑くてもシャツから透けるU字ラインを「ツキノワグマ」と笑われないためのささやかな配慮だ。
素肌に直接、シャツをまとう若者もいる。だが、汗をかいたときはいただけない。シャツがべとついた姿は見苦しいし、なにより男の美学に反する。
先日、ある女性からクールビズになって、それまで隠されていた男の尻に着目していると言われびっくりした。「美尻度をチェックし、仲間で品評会している」とか。おしゃれのセンスだけでなく、体形をカバーする着こなしまで問われるなんて……。うだる暑さの中、見た目も涼しげな女たちの冷ややかな視線ばかりが心に寒い。
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