「座りたい」マーク知ってる? 目的同じ、乱立気味

電車やバスで見慣れないマークを身につけた人を見たことはないだろうか。ハートや四つ葉のデザインが多く、障害のある人や高齢者への配慮を促しているのは、なんとなくわかる。でも、意味を明確に知っている人は多くないだろう。種類も次々増えているようだ。

ストラップに赤地に白抜きで+と♡。これは2012年に東京都が作成し、普及を進めている「ヘルプマーク」だ。「体調が悪いので席に座りたいけど、自分からは切り出せない。外からはわからない障害を持つ人や義足を使う人が手助けを受けやすいようにと作成した」。都障害者施策推進部の藤井麻里子計画課長は狙いを話す。これまでに都営地下鉄の駅などで希望者に配布。最初の1年間だけで2万8000人が受け取った。

利用者がかばんなどにぶら下げて、さりげなく周囲の人に気づいてもらうことを期待する。電車やバスにポスターを掲示するなど周知活動も続けている。14年度からは区市町村のコミュニティバスや公共施設での普及を後押しするための予算も計上。東京ぐるみの活動としたい考えだ。

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ところが、そのヘルプマークを複雑な思いで見る人がいる。NPO法人ハート・プラスの会(名古屋市)の鈴木英司さんだ。同会では03年に心臓疾患などの内部障害を抱えた人が集まって♡と+を配した「ハート・プラスマーク」を作成し、周知活動を続けている。マークの狙いは都とほぼ同様。「若いのに高齢者をさしおいて座るなんて」と心ない非難を受けた人たちの苦悩から生まれた。いわば、こちらが「本家」なのだが、最近は「東京のマークと何が違うんですかと質問されることもある」(鈴木さん)。

ハート・プラスマークは普及でも都に先行している。仙台市や福岡市の交通機関、商業施設など、少なくとも27都道府県で利用されている。今後も「(東京のように)助けてほしいという意味だけではなく、内部障害を持つ人がこんなにもいるという理解を求めていく」という。