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離婚も 産後に増える夫婦のすれ違い、ケア大切に 肉体・精神両面で弱く

2014/7/7

 出産で大きな負担がかかる女性たちに寄り添い、支える「産後ケア」への関心が高まってきた。出産後の体の回復はもちろん、子育てや夫婦関係、仕事復帰への不安など心のケアにも気を配る。出産までのケアに比べてこれまで支援が手薄だったが、働く女性や高齢出産が増えるなかで注目度は上昇。支援態勢づくりが進んでいる。

 「産後は安静にというけれど、どの程度動いていいのか分からない。退院時は体が重く、おむつ替えで傾けた上半身を支えるのがやっとだった」。コンサルタントとして働く岡本佳美さん(41)は3歳になる長女を産んだ時をこう振り返る。別の30歳代女性は「赤ちゃんと2人で食事していたら突然、1人でいる時以上の孤独感に襲われ、ぼろぼろ泣いてしまった」。産後はホルモンバランスの変化で心も不安定になりがちだ。

■離婚の原因にも

産後ケアに取り組むマドレボニータの教室にはカップル向けの講座も

 ただ岡本さんには頼れる存在があった。産後の心身のケアの必要性を訴え、支援するNPO法人マドレボニータ(東京・杉並)。代表理事の吉岡マコさん(41)とは十年来の知り合いで「産んだ瞬間、突き放されたような不安を感じる」と聞かされていた。「『産後』の存在をその時に初めて認識した」と岡本さん。

 産後まず迎えるのが分娩から1~2カ月(6~8週間)の産褥(さんじょく)期。子宮や骨盤など妊娠・出産で受けた体のダメージを癒やす時期だ。やがて母親の役割や新たな家族関係を受け入れ、仕事や社会活動への復帰に向けた準備を進める時期に移っていく。1年程度を産後と位置付けるケースが多い。

 吉岡さんは自らの出産を機に、1998年から産後の心と体をケアする教室を始めた。筋力や持久力を回復するバランスボール運動のほか、コミュニケーションの時間も。人生や仕事、パートナーとの関係などそれぞれが「私」をテーマに語る。「急に『誰々ちゃんのママ』と呼ばれて違和感が生じる。自分を主語に話すことがアイデンティティーを取り戻すきっかけになる」(吉岡さん)

 マドレボニータのインストラクター、竹下浩美さん(37)は自らも産後6カ月。「不安や悩みを表に出していいと気付くだけで楽になる。体を動かして緊張がほぐれれば、なおさら話しやすい。似た境遇の女性と、プライベートな話もできる関係が築ける」と語る。講座は年300回超、5千人が参加する。

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