これもクールジャパン? ほろ苦コーヒースイーツ

●ちなみに――日本生まれの缶コーヒー、コーヒーゼリー

コーヒーが日本に初めて紹介されたのは江戸時代。オランダ人が長崎の出島に持ち込んだのがきっかけとされている。以来約300年、日本では世界でも独特のコーヒー文化をはぐくみ、世界に逆輸出した派生商品は多い。代表格は缶コーヒーだろう。UCC上島珈琲(神戸市)が1969年に世界で初めて発売した。

開発のきっかけは、駅の売店で買ったミルクコーヒーを飲みきれなかったから。当時、コーヒーを家庭で飲む習慣はほとんどなく、喫茶店で飲むか店でビン入りのミルクコーヒーを飲むのが一般的だった。だが、ビンは飲み終わったら店に返す決まり。UCC創業者の上島忠雄氏は駅の売店でミルクコーヒーを買っても、電車が来たため全部飲めなかったことがあったという。そこで「いつでもどこでも手軽に飲めるようにしたい」と缶コーヒーを開発。1年がかりで商品化にこぎ着けた。

コーヒーゼリーも日本で発展したスイーツだ。日本の喫茶店業界で初めて食べるコーヒーを作ったのは、ミカド珈琲商会(東京・港)といわれている。1963年に発売した「コーヒーゼリー」だ。固形のコーヒーに、ミルクとガムシロップをかけて味わう食べ方は、珍しさもあり大人気となった。同社はコーヒーのほろ苦さが苦手な子どもでも食べられるようにと、コーヒー味のアイスクリーム「モカソフト」も1969年に商品化している。

日本は消費量でもコーヒー大国。コーヒー豆の輸入量は年40万トン(2012年)と世界4位だ。全日本コーヒー協会が実施した飲用率調査では、コーヒーを「よく飲む」「時々飲む」と答えた人は89%で、日本茶やジュースをおさえて1位になった。

(岸田幸子)

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●専門委員の横顔(五十音順)

下井美奈子さん

1973年生まれ。実家の母が菓子教室講師ということから、子どもの頃からスイーツの食べ歩きや菓子作りを行う。一般企業を退職した後、パリの料理学校「リッツ・エスコフィエ」で料理・製菓の資格取得。またパリの製菓料理学校「ル・コルドン・ブルー」「ルノートル」で学び、2年間のロサンゼルス在住中にも各国の製菓・料理を習得。情報サイト「オールアバウト」では立ち上げの2001年から、スイーツガイドを担当。多数のメディアで洋菓子情報を紹介するほか、商品開発、レシピ提供を行うスイーツコーディネーターも務める。共著に「TOKYO美食パラダイス」など。

下園昌江さん

1974年生まれ。大学卒業後、専門学校やパティスリーで製菓の技術や理論を学んでおり、製法にも詳しい。菓子の食べ歩き歴は15年。近年は特にフランス菓子に力を入れ、フランスを巡るツアーや焼き菓子を中心とした菓子教室も開催。監修本に「とびきりスイーツ見つけた!」。ウェブサイト「Sweet Cafe(スイートカフェ)」主宰。

平岩理緒さん

1975年生まれ。小学生のとき、訪れたデパートでスイーツの魅力に目覚める。大学卒業後、食品会社のマーケティングに携わる。2002年、テレビ東京の番組「TVチャンピオン」デパ地下選手権での優勝を機に、食の情報発信を本格化。退社後はフリーのフードコーディネーターとして活躍中。月に食べる菓子は100種類以上。和菓子店での勤務経験もあり、和、洋菓子全般に詳しい。著書に「アフター6のスイーツマニア」(マーブルトロン)。コミュニティーサイト「幸せのケーキ共和国」主宰。

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