造船所のなごりを感じさせるクレーンなどが配置されている

さらなる大規模開発も控える。新交通ゆりかもめの「市場前駅」。駅のホームから見渡す限り広がる敷地では現在、何台ものショベルカーが動き回って土をならしている。

この駅の名が体を表すようになるのは「豊洲新市場」が完成する15年度末だ。東京都の中央卸売市場築地市場の移転先となる。あわせて屋台村や都内最大級の温浴施設を整備する計画もある。心配された土壌汚染の対策も完了し、市場本体はこの2月に着工した。

マンションやオフィスビルが林立する豊洲駅の周辺を歩くと、イカリやおもり、ドックなどのモニュメントが点在していることに気付く。02年まで操業していたIHIの造船所をしのぶよすがだ。その閉鎖から10年余り。街はすっかり様変わりした。

古くからの名残も

町の移り変わりについて話す豊洲町会会長の小安さん

変化に変化を重ねる豊洲。しかし新しさ一色ではない。地域には古くからの名残をとどめる一角もある。駅の東側、低層の建物が並ぶ豊洲商店街だ。精肉店や鮮魚店が軒を連ね、地元住民の生活を支える。日本初のコンビニエンスストアといわれているセブンイレブンの1号店も豊洲にある。

豊洲町会の事務所を訪ね、小安勤会長に話を聞いた。

「今や町会員の3分の2は近年移り住んできたマンションの住人。町会が親睦のために企画する団体旅行には新住民も多く参加しているよ」

もともとは東京湾の埋め立て地で、工業地として発展した豊洲。この地の変遷を見つめてきた小安さんも、発展ぶりに目を細める。豊洲が東京を代表する街になる日も近いかもしれない。(三木理恵子)

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