2013/7/20

日本の歩き方

その「美松」のすぐ近くには長岡市役所が入る複合施設アオーレ長岡がある。その広場に出ていた屋台のサンドイッチ店を見て、またうれしくなった。メニューに「カレーサンド」があったのだ。初めて見た。カレーパンではない。カレーサンドだ。レタスやハムがあるべきところにカレーが挟まっている。「これ売れますか」。そう店員に聞くと「うーん、あまり出ないですね。やっぱり食べにくいみたいですね。服にこぼすと大変ですから」という。これは見るだけにしておいた。この店員もメニューに加えた理由を「カレー味は間違いないと思って」と言っていた。

亀田製菓のカレーせん(左)と岩塚製菓のえびカリ
弥彦名物のカレー豆。ビールに合う甘辛い味

弥彦神社で有名な弥彦村には名産のそら豆を揚げてカレー味に仕上げた「カレー豆」がある。甘辛い味は子供のおやつとしても人気だが、この時期はビールにもよく合う。亀田製菓(新潟市)の定番には「カレーせん」があり、この7月には夏季限定で「スパイシーカレー味」の柿の種を投入する。栗山米菓(新潟市)も代表商品「ばかうけ」の「シーフードカレー味」を夏季限定で発売。岩塚製菓(長岡市)にも、海老風味のカレーせんべい「えびカリ」がある。

「みかづき」のカレーイタリアン。ファストフード感覚で愛されている
特製のカレー焼きそばを作ってくれた「PULP FICTION」の竹内香純さん(メニューにはない)

新潟を代表するB級グルメとして有名なのが「イタリアン」。説明が難しいが、ざっくり言うと太麺の焼きそばにミートソースをかけ、白しょうがを添えたファストフードだ。その歴史は50年以上と、古くから庶民の味として親しまれている。新潟市の「みかづき」と長岡市の「フレンド」という専門店があり、どちらがうまいかよく論争になる。この「イタリアン」のメニューにも、当たり前のように「カレーイタリアン」がある。要は焼きそばにカレーをかけたもの。味は予想通りだ。

カレーラーメンに歴史あり

さらに、家庭でもやきそばをカレー味にする食べ方は普通だと言う。新潟市のイタリアンバー「PULP FICTION」の店員、竹内香純さん(23)は「バーベキューで最後に焼きそばを作るときも、家からカレー粉を持参してカレー味に仕上げますね。あれっ、やらないですか?」。新潟県民はカレー味好きをあまり自覚していないようだ。

「正広」の冷やしカレーラーメン。カレーペーストで味に変化を付けられる

そして、新潟のカレー味好きを象徴するのが三条のカレーラーメン。カレーとラーメンの組み合わせ。まさに究極のB級だが、昨今のB級グルメブームで登場したわけではない。70年以上の歴史があり、三条市のホームページでは「特産品」として「三条カレーラーメン」を紹介している。三条のソウルフードとして全国に広めようと2010年には市民グループが「三条カレーラーメンの歌」をつくりCD化、その歌にあわせた「カレーラーメン体操」のDVDも登場した。ユーチューブでも見られる。ちなみにどこがどうカレーラーメン体操なのかはよくわからない。

三条市内でカレーラーメンをメニューとして提供している店は70店舗を超える。スープ全体がカレーになっているものと、ラーメンにカレーを乗せたものがあり、夏場は冷やしカレーラーメンも登場する。

カレーラーメンの代表店「正広」で、その冷やしカレーラーメン(850円)を食べてみた。チャーシューとメンマ、コーン、煮卵、ホウレンソウ、それに福神漬けが放射状にちりばめられ、見た目は冷やし中華の趣だ。しかし、つゆの味はカレーそのもの。「冷たいカレー」の違和感もなく、食欲が落ちる夏場でも完食できそうな食べやすさがある。

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