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新潟県民はカレー味が好き どら焼き・焼きそばも ルー購入額日本一

2013/7/20

新潟市はカレールーの購入額が全国一なのをご存じだろうか。米と魚と日本酒はもちろん、野菜や果物も豊富な農業王国であり日本有数のA級グルメの地、新潟。ところが、県民はB級グルメの代表であるカレーが大好きなのだ。A級とB級が混在する新潟の食文化、不思議な奥の深さはなぜ生まれたのか。

■カレー専門店やインド料理店は少ない

「せきとり」の鶏の半身あげ。カレー味の火付け役だ

「カレー購入額日本一」の新潟だが、市内にはカレー専門店が少ない。例えば、東京では繁華街に必ずあるチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」が新潟市中央区には駅前に1店舗あるだけ。「ゴーゴーカレー」も季節限定のスキー場を除けばごく最近、やっと県内1号店が進出したばかり。インド料理の店もほとんど見かけない。

ところが、居酒屋に入ると多くの店のメニューにあるのが鶏のからあげのカレー味。正確には「半身あげ」という大型のからあげだが、必ずカレー味がある。「カレー好き」なのではなく、「カレー味好き」なのだ。家庭でもこの味を簡単に楽しめるように、米粉入りのカレー味のからあげ粉が4月以降、相次いで発売された。

このカレー味の鶏の半身あげの元祖が新潟市中央区の住宅街の中にある「せきとり」。新潟で「しょっぺ店」と呼ばれるうまくて安い居酒屋の代表格だが、実態は鶏料理専門店といっていい。時価で800円前後のカレー味の半身のからあげのほかに、半身の蒸し鶏、やきとり、冷ややっこ、おにぎりなどメニューはごくわずか。しかし、持ち帰りもできるため、ひっきりなしにからあげ目当ての客が出入りする。

半身にしたひな鶏をぶつ切りにせず、カレーパウダーを振りかけてそのまま揚げる。かぶりつくと、カレー味は意外に弱く「ほんのり」という程度。鶏肉の味をしっかり楽しめる。お盆やクリスマス、正月など帰省の時期には「必ず寄る」という常連客も多く、まさに郷土の味として親しまれている。

「50年以上前からこの味です。近くに新潟鉄工所の工場があって、出稼ぎの人が多く来ていたようです」。店長の飯塚浩さん(34)はそう話す。せきとりのある場所は、信濃川の河口両岸に開かれた新潟港に近い。江戸時代には北前船が行き交い、明治以降も日本海側の重要港として物流の拠点となり、現在も造船所や食品加工工場がある。労働者向けのボリュームのある食事というのが人気の背景にあるようだ。「口コミで広がり、他の店もまねするようになりました」。現在、市内にはカレー味の半身からあげを出す店が約50店もある。

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