津波の爪痕「ジオパーク」で学ぶ、三陸海岸で構想

東日本大震災で大きな被害を受けた三陸海岸。ここを「ジオパーク」にしようという動きが進んでいる。「ジオ」とは地球や大地の意味。他の場所では見られない貴重な地形や地質に、接することができる場所がジオパークだ。被災地に残る津波の爪痕を保存し、地球史的な視点から学んでもらおうという狙いがある。「三陸ジオパーク」の候補地を歩いてみた。

申請エリアは南北300キロ

「いまだに『行っても大丈夫?』という電話がかかってきます。『ぜひ復興しつつある三陸を見に来て下さい』と答えるのですが……」。陸中海岸を代表する観光地、浄土ケ浜を抱える岩手県宮古市商業観光課の北舘克彦さんは打ち明ける。

東日本大震災から2年以上たった今も「放射能の心配はない?」といった問い合わせが無くならず、三陸を訪れる観光客の戻りは鈍い。2010年に124万人だった宮古市の観光客は11年に33万人まで落ち込み、12年も73万人だった。こうした状況を打開しようと、地元では「三陸をジオパークに」との機運が盛り上がっている。

テーマは「悠久の大地と海と共に生きる~震災の記憶を後世に伝え学ぶ地域へ」。青森県八戸市から宮城県気仙沼市まで16市町村などで構成する三陸ジオパーク推進協議会(会長=山本正徳宮古市長)が4月下旬、日本ジオパーク委員会(茨城県つくば市)に申請した。7月の現地調査を経て9月末にも「日本ジオパーク」として認定される見通しだ。