2014/1/13

日本の歩き方

寒天を干す風景は諏訪地方の冬の風物詩

角寒天は寒天を棒状に固めたもので、テングサなどを使ってつくる。海もない諏訪地方で特産品になったのは、平均気温が低いのに雪が少ないので、寒天を凍結させやすいといった好条件が重なったためだ。

近年はオゴノリなどを使って工業的製法でつくる安価な粉末状の寒天が増えてきたため生産は減少傾向だが、「両者は似て非なるもの。工業的な寒天では、コレステロール低下効果が期待できるアガロペクチンなどが流出してしまう」と寒天水産加工業組合の小池隆夫組合長は特産品ならではの良さを強調する。

トマトそっくりに仕上げた「寒天トマト」

新商品「寒天トマト」はこの角寒天と濃縮トマトジュースなどを使って、本物のトマトのように球状に固めたもの。血糖値、コレステロールなどで改善効果が期待できる寒天を継続的に摂取しやすく工夫しており、本物のトマトのようにサラダ、サンドイッチなど幅広く使える。

「サンドイッチに使っても本物のトマトのように水分が流れ出すことがない」と同組合は使い勝手の良さを訴える。まず老人介護施設や給食などの消費を見込むほか、1個200円で通信販売も受け付けるという。

カブ、エノキタケ、寒天……。「海なし県」のせいか、食材に派手さはないが、時代とともに食生活が変わる中で、様々な知恵を絞って伝統食を維持しようとしている県民の姿が浮かび上がってきた。長野県の長寿はこうした工夫に支えられているようだ。

(松本支局長 長沼俊洋)

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