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北奥羽のゴボウ、ジュンサイ…は天下一品 北東北野菜紀行

2014/7/7

「十和田美人ごぼう」の出荷に向けて黙々と作業する社員(十和田青果)

東北地方は食材の宝庫。広く知られるコメや水産物に加え、忘れてはならないのが豊富な野菜だ。なかでも青森のゴボウ、秋田のジュンサイは生産量日本一を誇る。澄んだ水と空気が育む岩手のキャベツにも注目だ。

美人になれる(?)ゴボウ

青森県はゴボウ生産量日本一。三沢市や十和田市、六戸町など県南東部が主産地だ。近年の健康志向の高まりで、食物繊維を多く含むといった機能性が注目され、「健康・美容にいい」と女性を中心に需要が高まっている。

青果卸の十和田青果(十和田市)は子会社を通じて、ゴボウをはじめ根菜類を「十和田美人」のブランドで展開している。同社のゴボウ出荷量は多い年で1万3000~1万4000トンと青森県全体の3割近くに上る。その中で、生産者を絞って肥料など栽培方法を統一し、一般のゴボウより高い糖度を売りにしているのが十和田美人だ。

馬肉のコリコリとゴボウのシャキシャキが調和して心地よい食感の馬肉鍋(十和田市の「吉兆」)

現在の生産者は約60人、作付面積は35ヘクタールほど。ブランド展開当初より生産者は3分の1、作付面積は半分にした結果、会社の方針がより行き届くようになり品質が良くなった。

東北町の生産者、榊拓也さんは「規格に合うようにサイズをそろえるのが難しい」と栽培の肝を説明する。

野月徳仁会長は「いい生産者を集め、いいものを作れば全国から買いに来る」と話す。十和田美人ゴボウの9割は県外出荷だ。

十和田美人を使っている馬肉料理の人気店「吉兆」(十和田市)で「馬肉鍋」を味わった。馬肉とささがきのゴボウを一緒にかむと馬肉のコリコリとゴボウのシャキシャキが協奏曲のように調和した。店長の沢井広喜さんは「鍋でも豚汁でも、ゴボウがなければピリッとしない」。

2012年の青森県のゴボウ出荷量は5万2700トンで全国の37%を占める。10アール当たり収量は2.38トンと全国平均より25%高い。9年前の2003年と比較すると、全国の作付面積が10%減ったのに対し、青森県は1630ヘクタールから2350ヘクタールへ44%も増えた。

県内でゴボウ生産量1位の三沢市に本店を置くJAおいらせの松尾裕一指導課課長補佐によると、第1に食物繊維が豊富なゴボウは「健康美容食品」としてコンビニがサラダやきんぴらを販売するなど加工需要が拡大した。第2に、収穫の機械化が進み、ナガイモなど他の根菜類に比べて労力が大きく軽減された。

このほか青森特有の要因として、土壌を1.2~1.3メートルまで掘っても石の層に当たらず、長くて良質のゴボウが取れる。また、気候的に葉物野菜の栽培が難しく、ゴボウに生産がよりシフトした面もある。

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