おいしすぎて……「うどん県」香川の悩み

うどん好きの血糖値を調べてみたら…

うどん好きの人のHbA1c値
うどん消費量HbA1c値コメント
Aさん(40代)週8玉以上5.4健康体。うどんと糖尿病は関係ないと思う
Bさん(30代)週6食+α5.4自営業で、昼は母親特製のうどんを家族で食べるのが長年の習慣
Cさん(50代)週8玉から10玉8.3自他ともに認める大食漢。最近、うどん消費はむしろ減った
Dさん(50代)400以上のうどん店を食べ歩き5.2~5.6数年前県外に転勤、うどん消費は減ったが数値は下がっていない
Eさん(40代)週3、4食5台の後半若い頃から、健康診断で医師らから注意を受けたことはない

表にある「HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)」は糖尿病の検査に使う指標で、過去1~2カ月の血糖数値の平均。この数値だけで糖尿病と診断されるわけではないが、昨年、国際基準に変わり、健康診断などでは一般に6.2以下だと標準値内とするケースが多い。一方で、5.6以上を「糖尿病予備軍」とする医師もいる。

表を見る限り、うどんと糖尿病の因果関係は薄そうだ。Cさんの場合は高値で8.3だが、13年前は5.4。今でも週8~10玉を食べるが、「その頃より、うどんの量は減った」と話しており「うどん以外のものを食べ過ぎているのが原因」と自己分析する。

表にはないが、製麺業「さぬき麺業」(高松市)の香川政明社長の場合、仕事柄、日中に食べるうどんの量はなんと、6食分。取材の日も正午近くにまず市販用のうどん2玉を「かけうどん」と「ざるうどん」でそれぞれ試食。その後、「昼食に行きましょう」と近くの直営店で天ぷら付きの釜揚げうどん1玉。午後には「打ち込みうどん3食分、3玉を試食する」という。この日も6玉分だ。

それでも香川さんの血糖値は標準値内で「主治医から糖尿病と言われたことはない」。食生活は「朝と晩は野菜中心。炭水化物はうどん以外はご飯も食べない」という。

逆に、現在糖尿病治療中の人からは、うどん消費量を聞いてみた。HbA1c値が全体にそれほど高くはないのは、投薬などの治療や食事療法をしているためだろう。そして、Jさんを除けば意外にうどんを食べていないことが分かる。

若いころ昼食で4玉分食べていたというGさんの病因が気になるが「痩せてガリガリだったので、太りたくてムチャ食いしていた」と言い、うどんに限らず全般に食べ過ぎだった可能性もある。

糖尿病に詳しい石田俊彦・キナシ大林病院糖尿病センター長(香川大名誉教授)は「うどん自体に問題があるわけではなく、香川県の場合、食べ方や野菜不足、運動不足などが絡み合い、複合的な病因になっている」と話す。「香川に限らず、食の西洋化や間食などの影響も大きい」とも。

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