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ササニシキ・つや姫・あきたこまち 東北のコメ三国志

2014/4/28

ササニシキ発祥の地では品種改良を重ねる(宮城県古川農業試験場)

コシヒカリ、ひとめぼれ…。コメどころの東北では、さまざまな品種や産地が味を競う。そのなかでも要注目なのが、人気急上昇中の新品種「つや姫」と、復権を目指すかつてのスター「ササニシキ」だ。そんな中、定番商品「あきたこまち」もブランド建て直しを急いでいる。

ササニシキは「とがったコメ」

かつて「東の横綱」と称されたトップブランド、ササニシキが復活の時を迎えようとしている。冷害に倒れ、多くの生産者が見切りを付けたこの20年はまさに雌伏の時。親しみを込めて「ササ」と呼ぶ料亭やすし屋の職人の期待を背負い、研究者が取り組んだ品種改良が実を結びつつある。

ササニシキの違いを高清水食糧の特製皿で味わう

10台もの電気炊飯器が並んだ一室。コメ卸の高清水食糧(宮城県栗原市)が、ごはんのうまみを確かめるために使う部屋だ。ここでササ系の新品種「東北194号」を炊いてもらった。

つやがあり、粒が立っている。甘くもっちりしているが、粘りの強いコシヒカリ系とは異なる食感だ。佐藤真樹専務は「ササはおかずの良さを引き出すコメだ」という。確かに煮物などがおいしく感じられ、もっとごはんがほしくなる。

五ツ星お米マイスターの佐藤貴之取締役はササを「人の好みがはっきり分かれるとがったコメ」と評する。同社は毎年秋、コメの試食会を開く。最高点と最低点が入り交じるのがササ系の特徴だ。万人受けはしないが、魅力に気付けば離れられない磁力がある。

ササ誕生から51年。和食に合う点が好まれ、1990年にはコシヒカリに次ぐ全国2位の作付面積を記録。しかし、93年の記録的な冷害で生産者の離反を招いた。

「なくなっては困る」

主役の座を奪ったのがひとめぼれだ。今や宮城県内の作付面積の8割を占め、ササは1割に満たない。

ササがなくなっては困る――。料理人たちの熱い思いを背に、ササの生みの親である宮城県古川農業試験場(大崎市)は2001年、重い腰をあげる。取った手段は「禁じ手」との声も出たササとコシヒカリ系のひとめぼれの交配だ。

6人の研究員が発育を見守ると、ササの風味とひとめぼれの耐性を併せ持つ品種に成長。「194号」として12年に品種登録した。

ただ栽培の難しさもササ譲り。肥料や水は繊細な調整が欠かせない。高清水食糧も契約農家と試行錯誤を繰り返した。施肥の回数を抑え、寒さに2日程度さらし収穫する。最近ようやくたどり着いた生産方法だ。

194号の一般作付けは15年度に始まる。大崎市は今年度から大々的にPRしていく方針で、3月には愛称を「ささ結(むすび)」と決めた。国内外の品評会や展示会で売り込む。

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