渋谷駅の不便な乗り換え、6年の我慢で解消へ副都心線繁盛記(1)

このほか、西口バスターミナルの横にある「東急プラザ渋谷」を建て替える「道玄坂一丁目駅前地区」や、渋谷川を再生しながらオフィスを建設する「渋谷三丁目21地区」の計画もある。駅の南側の桜丘口も再開発する予定だ。20年度までに高さ180メートルのオフィスビルと150メートルのマンションを建設し、外国人向けのサービス付き賃貸住宅を開設。国際的な企業を呼び込むという。

一連の再開発の第1弾が、12年に開業した渋谷ヒカリエ。プラネタリウムで東京周辺の人にはおなじみだった東急文化会館の跡地にそびえる。不便になったといわれる渋谷駅だが、ヒカリエとのアクセスはよくなった。改札口を出るとすぐ売り場の入り口なのだ。

ヒカリエは活況

幅広い客層で賑わう渋谷ヒカリエ(東京都渋谷区)

それではヒカリエに入ってみよう。ここで目立つのは仕事帰りの女性たち。午後6時を回るとスーツの上にコートをまとった女性の姿が増えてくる。

東横線の自由が丘から渋谷の職場に通う女性(34)は「売り場と駅のホームが近いのが便利。仕事の帰りについ寄りたくなる」と話す。

ヒカリエの1~5階はアパレル・雑貨店が軒を連ねる。見渡す限り女性で、男性の姿はまばら。試供品の香水を手に取ったり、ウインドーショッピングを楽しんだりする客で混み合う。地下はスイーツや総菜の売り場だ。

ヒカリエに立ち寄った女性(25)は「雑貨やスイーツが充実しているのが魅力ですね」と笑顔を見せる。

「開業初年は私服姿で友達連れの客が多かったが、副都心線直通後の2年目は、夕方に1人で買い物をするスーツ姿の女性が増えた」と、店舗を運営する東急百貨店の藤田愛子セールスマネジャーは話す。

ヒカリエの午後6時以降の売上高は、副都心線の直通前に比べ3%前後増加。施設全体の売上高も初年度を上回るペースで推移しているという。

「働く女性の皆様にプレゼントしています」

1階入り口前の広場で販促の掛け声があがった。「カフェインゼロ」「低カロリー」で女性に訴える大正製薬の「リポビタンフィール」の宣伝だ。イベントの担当者は「ヒカリエができて渋谷は働く女性の街というイメージが定着してきた。渋谷109のある西口は学生などが多く若すぎるため東口を選んだ」と話す。

東急電鉄の大友氏は「働く女性が増えている背景には、渋谷で企業の集積が進んでいることも影響している」と見る。

ヒカリエのオフィスフロアにはディー・エヌ・エーやLINEが入居する。民間の調査では渋谷区のオフィスビルの平均賃料も昨年7月に六本木や赤坂のある港区を逆転し、千代田区に次ぎ都内で2番目に高い水準となった。

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