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平牧三元豚、ジューシーな脂はコメどころの恵み 東北肉紀行

2013/11/16

 東京・赤坂に建つ大型複合施設、東京ミッドタウンの地下1階にあるとんかつ料理店「平田牧場」。山形県から直送される豚肉を使い、昼食時になるとサラリーマンらで行列ができる人気店だ。ここで提供される厚切りのとんかつ、中でも看板のロースかつは脂がジューシーで、なおかつ豚特有の臭みもなく軟らかい。いくら食べても胃がもたれず、あきがこない味だ。

平牧三元豚のうまみがギュッと詰まっている平田牧場のとんかつ

 加工してから数日間熟成させた肉を、高温と低温で数分ずつ揚げてうまみをころもの中に凝縮。揚げた後、しばらく熱をさましてから最高の状態で客に出す。

 揚げ方もさることながら、平田牧場(山形県酒田市)が自信を持って世に送り出した「平牧三元豚」を使っていることもおいしさの決め手だ。

「まだら模様」の豚とご対面

風通しのいい豚舎で伸び伸びと育つ平牧三元豚(山形県庄内町の千本杉農場)

 「ブヒッ」「ブヒー」。直営農場の1つ、千本杉農場(山形県庄内町)の豚舎に足を踏み入れると、好奇心旺盛な豚が鼻を鳴らしながら一斉に寄ってくる。常時、3200頭の豚を飼育する同社最大の農場だ。

 豚舎の壁は開放型になっていて、昼間はカーテンを開けて光や風を採り入れている。薄暗くジメっとした豚舎を想像していただけに、肩すかしを食ったような気分だ。消臭した敷き材を定期的に取り換えているので、嫌なにおいもせず非常に清潔。「豚がストレスを感じないよう飼育環境には人一倍気を使っている」と阿部一道農場長は言う。

 1頭あたりの飼育スペースにも気を配っている。広さ20平方メートルの豚房に20頭の豚を飼育しており、1頭あたりの広さは1平方メートル。通常の豚房は平均0.7平方メートルといわれているので、平牧の豚はゆったりとした空間ですくすくと育っている。

 平田牧場は酒田市の生産本部で交配、繁殖させた子豚を庄内地方の9カ所の直営農場で110キロまで育てる。このほか北海道から栃木県まで約60軒ある養豚農家にも交配や繁殖、飼育を委託。合計で年間16万~20万頭を出荷する。その数は国産豚の約1%にあたる。

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