門前仲町は酒と祭り、江戸の粋に一度はハマる首都圏イーストサイド繁盛記

3年に1度の例大祭が江戸三大祭りの一つに数えられる富岡八幡宮。その門前である門前仲町は祭りの街だ。今年は例大祭の年、8月17日には50基以上の神輿(みこし)を動かす。目玉行事の「神輿連合渡御」を仕切る神輿総代連合会の高橋富雄会長は、68歳の深川っ子だ。総勢2万5000人に及ぶ神輿の担ぎ手を率いる。

マンション族、神輿を担ぐ

3年に1度の例大祭が江戸三大祭りの一つに数えられる富岡八幡宮

今年は前回を上回る30万人以上の人出を目指し、関係者の緊張感も高まっている。そんななか、高橋会長が熱い期待を寄せるのがマンションの新住人だ。「今やマンション族なしに祭りは語れない」

深川っ子だけでは担ぎ手が足りない事情もあるが、それだけではない。東日本大震災以降、地域とつながりを求めるマンション住人が増えたのだ。高橋会長が住む三好三・四丁目町会では担ぎ手の半数近くがマンション族。なかにはリーダー的な役割も果たすようになった人もいる。

富岡八幡宮には日本一大きい黄金の大神輿がある

その1人、食品会社営業マンの堀端大路さんは02年に豊洲にあった社宅から門前仲町の物件に移り住んだ。この時、堀端さんは32歳。近所付き合いに飢えていた奥さんが担ぎ手募集の貼り紙を見つけたのがきっかけだった。

「最初は面倒くさいと思ったけれども、手取り足取り教わるうちに無くてはならない付き合いになった」と堀端さん。今では町会役員となり、高橋会長からも家族同然の扱いを受けるという。「深川っ子の義理人情の厚さに感動する」

「ほかのエリアでは経験できない人間関係。マンション住人になってハマる人が多いんですよ。1度住むと離れられなくなる」。地元の高砂不動産の貝瀬栄治社長は説明する。

中古マンションを扱うリズム(東京・渋谷)の巻口成憲専務によると「物件が古くなっても賃料が下がらない」。同社の調べでは門前仲町駅周辺のマンション賃料相場は1平方メートル当たり3300円前後で、東京23区の平均を上回る。

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