電気ブラン国際化 「ザ・歓楽街」浅草大復活首都圏イーストサイド繁盛記

電気ブランで乾杯するニュージーランドのブラウン夫妻

「Creamy and smooth!(クリーミーでなめらか)」。4月下旬の平日、浅草1丁目1番1号の神谷バー。店の売り物であるブランデーベースのリキュール「電気ブラン」に、ニュージーランドから訪れたブラウン夫妻は舌鼓を打った。

1880年創業の老舗は下町の社交場だ。文明開化の象徴として電気ブランと名付けられた酒は100年以上飲み継がれている。この日も夕方5時ぐらいには常連客や観光客で一杯だった。

2割が外国人客

最近は週末に多い時で1日40~50人の外国人客が訪れる。ビールをチェイサーに電気ブランを楽しむ定番の飲み方を身ぶり手ぶりで伝える日本人客も。

「昔に比べ若者がお酒をあまり飲まなくなったし、今後は人口も減ってくる。そんななか、海外の皆さんにお店を知ってもらえるのはうれしいね」。5代目の神谷直弥社長は話す。

神谷社長が店でウエーターをしていた1990年代前半。バブルの余波から食事のチケットを買い求める客の行列ができるほど活況を呈していた。今では当時ほどの混雑はないものの、景気の回復もあって浅草はにぎわいが増している。

「こんなに集客力のある街はほかにないんじゃないか。若手を育成して今後もお客さんの期待に応えられる店をつくりたい」(神谷社長)

台東区によると、2012年に浅草を訪れた観光客は10年の調査に比べ5%増の約2075万人。このうち2割は外国人客だ。

百貨店の松屋浅草店の4月の外国人客の売り上げは前年同月比2.6倍、ハンカチや帽子など雑貨が売れている。浅草文化観光センター内にある外貨両替店「トラベレックスジャパン」では、特にベトナムやタイなど東南アジアからの利用客が目立つ。

浅草・雷門は国内外の観光客で連日にぎわう

20年の東京五輪に向け、外国人客は一段の増加が予想される。浅草では外国人客をもてなそうと新たな工夫が相次ぐ。

「Welcome to ASAKUSA!」。浅草を案内する人力車の車夫が外国人客に声をかける姿はおなじみの光景になっている。

浅草の人力車の先駆けである時代屋は4月、日本文化を体験できる「時代屋江戸蔵」を開業した。茶道や書道、着物体験などを用意する。

「東京五輪に向け本物の日本文化を体験したいというニーズは高まるだろう」とかつて車夫をしていたこともある坂巻潤主任は語る。さらに江戸蔵のすぐ近くには、明治時代の西洋商館をイメージした人力車の待合室「時代屋明治館」も同時期にオープンした。