旅行・レジャー

日本の歩き方

瀬戸内の走るホテルは茜色、「伊予灘ものがたり」

2014/7/14

湯布院などで研修を積んだ初々しいアテンダントが観光客を出迎える(2号車の先頭で)

道後温泉本館改築120周年、弘法大師空海による四国八十八カ所霊場開創1200年、そして瀬戸内海国立公園指定80周年――。様々な節目が重なる愛媛に今夏、魅力的な観光資源が加わろうとしている。四国旅客鉄道(JR四国)が26日に運行を始める「伊予灘ものがたり」だ。

■車内はレトロモダン

瀬戸内海の夕日を眺めながら本格的な食事と女性アテンダントのサービスを受けられる「四国初の本格的な観光列車」(同社)。普通列車扱いで特急料金は必要ないが、全ての席がグリーン車の指定席となる。デビュー直前の列車に乗ってみた。

7月3日午前9時、JR松山駅の3番ホームは普段と違う華やかな雰囲気に包まれた。

1号車は夕日のあかね色をイメージした。映画のロケにも使われた下灘駅など、レトロな建物も旅情をそそる(愛媛県伊予市)

停車する2両編成の1号車は夕日を連想させる「茜(あかね)色」、2号車はかんきつ類を思わせる「黄金色」に塗装され、乗降口ではベージュの制服に身を包んだアテンダントがほほ笑む。行き交う人が見慣れぬ光景に思わず足を止めるなか、実車訓練の初日が始まった。

9時10分、列車は目的地の伊予大洲駅(愛媛県大洲市)に向けゆっくりとホームを離れた。「本日はご乗車いただきありがとうございました。伊予灘ものがたりの始まりをお楽しみください」。ピアノ演奏の専用BGMにアテンダントの声が重なる。

1両当たりの定員は25人。板張りの床にソファが並ぶ車内はゆったりした印象だ。窓枠に埋め込んだ照明が障子越しのような柔らかい光を放ち、レトロモダンにまとめられた空間が旅路への期待をふくらませる。

伊予灘ものがたりの運行区間は予讃線の松山―伊予大洲と松山―八幡浜(愛媛県八幡浜市)の2区間で、片道を最長約2時間20分かけて走る。途中、瀬戸内海の伊予灘に面し「沈む夕日が立ち止まる町」のキャッチフレーズで地域おこしに取り組んだ伊予市双海町を通る。

映画「男はつらいよ」のロケ地にもなった下灘駅のある場所だ。JR四国は管内の沿線景色を精査し「わざわざ乗りに来てもらえる場所」としてこの区間に白羽の矢を立てた。

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