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朝・夕刊の「W」

進化する女性チーム 「頭脳派」が新風 感性と専門性で新たな付加価値

2013/5/25

大学の研究分野で、宇宙事業で、ゲーム業界で、女性チームが活躍している。女性の視点を生かしつつ、高い専門性で新たな付加価値を追求する、いわば“頭脳派”だ。「これまでになかったものをつくる」という意欲にあふれた現場をたずねた。

韓国からスカイプで参加したメンバーと会話する女性研究者集団の「CHORDxxCODE」(コードコード)

東京都内の会議室。思い思いのカジュアルな服装をした女性7人が集まり、マシンガントークを始めた。テーマは「おしゃべりプラットフォームの構築」だ。

「会議やおしゃべりって話が別の方向に飛んでいくでしょ。収束させるにはどうすればいい?」「話が飛んだ瞬間に周りがどう思うのか可視化できない?」「会話がどこに向かうか示せる?」「ノイズを除去できればね」

耳慣れない言葉が所々に出てくる。2009年に発足した研究者集団「CHORDxxCODE」(コードコード)。7人は東京大学大学院で出会った。6人は工学や学際情報学などの博士号を持つ。女性的な感性(CHORD)と論理的思考(CODE)を組み合わせて生活を楽しくするのが信条だ。

「最新技術の一端を使って社会に新しい提案を投げかけたい」。チームの代表で、早稲田大学基幹理工学部専任講師の橋田朋子さん(32)は語る。「人間は音をどう知覚するか」をテーマに、東京芸術大学から東大へ進んだ変わり種だ。

(1)CHORDxxCODEが開発した指輪
(2)CHORDxxCODEが開発したデザートをつくる機械

一つの分野を掘り下げて後世に名を残す、という思想には軽やかに背を向ける7人。男性主体の東大工学系で「ふわっとした研究があってもいいのに」と、プリクラの画像処理の進化と美人になりたい欲求、視聴覚障害者向けのバリアフリー映画製作など、独特のテーマで研究してきた。

チームの成果はどれもユニークだ。発光ダイオード(LED)に太陽電池を組み込み、光で演出するネックレスや指輪(写真1)。ドライフルーツをゼリーやプリンに落下させて、視覚でも楽しめるデザートをつくる機械(写真2)。エステの効果を全身画像で定期的に撮影して「見える化」し、未来の自分まで予測するシステム。営利目的の企業連携は歓迎で「むしろお金を稼ぎたい」と笑う。

4月から早大に転じた橋田さんと前後して、メンバーは東北大や九州大などに研究拠点を移した。1人は育児休業中だ。韓国出身の2人は大手広告代理店とサムスンで働き始めた。「ビジョンは特に決めない。職業はもちろん、結婚すれば生活も変わるから」「おばちゃんになっても新しいものを生み出したい」。今後も自然体で研究発表の場、アイデアのふ化装置としてチームを続ける考えだ。

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