男性上司が女性部下を食事に誘ってもいい?
だれか教えて
「ちょっと一杯」「食事でも行こうか」。男性同士だとかけやすい一言も、女性部下にはかけにくいと聞く。一方で職場の仲間と酒や食事で親睦を図る「飲みニケーション」も減ったとはいえ依然としてある。部下の奮闘への慰労や、処遇や仕事への本音を聞き、話し合おうと誘う場合もあるだろう。男女1対1では行かないよう指導している会社もあるが、そうした業務に絡む慣習の対象から女性だけを外すことは、逆に女性の不利益になる可能性もある。
何に気をつけたらいいのか。労務問題に詳しい山中健児弁護士は「上司が部下を誘うこと、一緒に行くことが一概に法律的にセクハラというわけではない。相手に強要せず、断られたことで相手に不利益なことをしないという基本は男女関わらず同じ」と話す。ただ注意点として「部下は上司からの誘いを断りにくい立場で、迎合的な態度をとりやすいことを十分に認識しておく」ことを挙げる。
「断らないとか、お礼のメールが来たからといって嫌がっていない、ましてや好意や恋愛感情を持っているなどと勘違いしてはいけない」とクギを刺す。「上司として誤解を受けないよう行動する」ことを助言する。
また女性側にも、牟田和恵・大阪大学大学院教授は「男性上司から仕事でなく個人的関係を望んで誘われたと感じて困ったときは、同僚のAさんも誘っていいですか?とか、ランチでいかがでしょうなどと返しては」と勧める。「OKする場合も、女性が仕事上抱いている好感や敬意を、男女関係として好かれていると取り違える男性もいるので要注意」という。
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