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出産後も働き続けるための処方箋 中村紀子氏に聞く 日本女性エグゼクティブ協会代表

2013/6/8

 結婚・出産後も働き続けるにはどうしたらいいのか。企業は職場環境をどう整えればいいのか。女性、経営側双方にアドバイスを続ける「日本女性エグゼクティブ協会」の中村紀子代表(保育大手のポピンズ社長)は両方に意識改革を強く迫る。女性登用への具体的な処方箋を聞いた。
 中村紀子氏(なかむら・のりこ) 1985年、女性管理職の自己啓発をめざす任意団体「日本女性エグゼクティブ協会」を設立した。ポピンズ社長として全国で保育施設などを運営。2010年3月末まで経済同友会の少子化対策検討委員会副委員長を務めた

育休は短め、融通利く働き方で復帰

 ――安倍政権は「育児休業3年、上場企業は女性の役員登用を」と女性の活躍を成長戦略に掲げている。

 「ちょっと待って、どこに目を向けているの、と言いたい。育休は短めにして融通の利く働き方で復帰する方が社員にとっても、企業にとってもロスが少ない」

 ――育休3年を導入したものの、利用者が少な過ぎて最長2年に短縮した企業もある。

 「育休が3年になろうと、女性役員の登用に数値目標を掲げようと、企業側と出産を経て復帰した女性社員側の双方の意識が変わらない限り、本質的な問題は解決しないことにそろそろ気づいてもらいたい」

 ――それでも最近取材した経営者たちの意識はずいぶん変わってきた。少子高齢化による将来の人手不足に危機感が強まっている。

 「確かに私のところに経営者が人事担当者らを連れて相談に来るようになった。男性中心の正社員が長時間労働して企業の競争力を高める、という従来モデルはもう限界。優秀な女性なら子育てしながら働き続けてもらいたい。だが制約のある働き方しかできない彼女たちを戦力として再び活用するには、具体的にどうしたらいいのか分からない、とみな頭を抱えている」

20~30歳代は「キャリアの仕込み時」

 ――企業への処方箋は。

 「大半の日本企業には社員を幹部に育成する『キャリア・ロードマップ』があるが、みな男性向けだ。“男性仕様”に合わせて頑張れるタイプの女性しか幹部候補者として育てられない。ロードマップをそのままにして女性管理職の数値目標を掲げても無理がある」

 ――ならば最初から、出産後に職場復帰した女性を育てるロードマップも作ればいいと。

 「20~30歳代を私は『キャリアの仕込み時』と呼んでいる。責任のある仕事を任され、失敗しながら成長する。企業にとっては、その大切な時期に『子どもができた』と休まれ、『子どもが発熱した』と早退されては、責任ある仕事を任せられず、戦力外扱いしかねない。せっかく復帰した優秀な者までが『もう期待されていない』と失望し、辞めてしまう」

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