2013/5/11
三井住友銀行は毎月、育休中の女性を対象に復職支援セミナーを開催している(4月30日、東京都文京区)

「まずは数」とばかりに策を練る企業も目立つ。

なでしこ銘柄の一つ、三井住友銀行は12年度、220人強を登用し女性管理職を約1200人まで増やした。6割に当たる約740人は「部長代理」など部下がいない。

経験を積ませ、職場の意識改革にもつなげる。「今は数を増やす段階。やる気のある母集団を増やし、そこから実力本位が浸透すれば」と人事部の田口紀子ダイバーシティ推進室長は意気込む。

なでしこ銘柄の中には、ここ1~2年で部下なし管理職などが急増した企業も少なくない。同業他社では「明らかに数値アップ用のポスト」「実態のないイメージ戦略」などのやっかみがくすぶる。

厚生労働省によると、大企業の女性管理職比率は2.9%どまり。数値目標をめぐっっては、男性の間でも「日本では強制力のある“外圧”なしに改革は進まない」(外資系IT企業幹部、51)、「男女を問わず能力と実績で登用しなければ、組織全体の士気が落ちる」(半導体商社人事部長、52)と賛否が割れる。

「私は慎重な立場。ゲタを履かせるのは過渡的な施策でなければ」「意見が違う。強制的に枠を作るべきだ」――話題を呼んだ自民党の高市早苗政調会長と野田聖子総務会長の政策論争。どこに着地したらいいのか。日本の企業社会にまだ答えは出ていない。(小滝麻理子、相模真記)

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女性管理職の数値目標 男女とも、賛成6割

日本経済新聞社は調査会社のマクロミルを通じて4月上旬、全国の働く男女3296人に女性管理職(課長級以上)の数値目標の是非について聞いた。賛成は63.1%で反対(36.9%)を大きく上回った。

賛成の理由は「日本は女性管理職比率が圧倒的に低いから」(33.0%)が最多。「中枢で働く女性が増えればフルタイムで働けない人が増え、結果として労働環境が改善する」が29.3%で「女性枠を設けなければ活躍の場が生まれない」という人は13.0%だった。

反対の理由では「仕事で成果をあげている人に失礼。女性が色眼鏡でみられる」(43.2%)がトップ。