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悩めるなでしこ企業 女性活用「数値目標」の賛否

2013/5/11

女性のパワーを生かそう――。成長戦略の柱として安倍政権は「育児休業3年、上場企業は女性役員の登用を」と大胆な構想を打ち出した。大企業は競うように育児支援策や女性管理職の比率に数値目標を設定する。“なでしこ企業”の実態に迫った。

「情報共有は管理職の務め」と部下の報告を聞くニコンの吉田明子さん(神奈川県相模原市)

「溶解炉をこの温度に設定した理由は?」。ニコンの相模原製作所(相模原市)で部下たちを指導する技術担当マネジャー、吉田明子さん(42)は光学レンズの製造工程管理の責任者。2人の子どもの母親でもある。

入社6年目に長女を出産。職場に前例はなかったが短時間勤務制度を利用して復帰した。1日約7時間勤務を4年ほど続け、難関の管理職試験に昨年合格。「周囲の人に恵まれた」と振り返る。同社の女性管理職は現在39人とこの6年で4倍近くに増えた。「男女を問わず能力で評価している」(人事部)

ニコンのほか、ダイキン工業、日産自動車など17社は、女性の登用実績や育児支援の充実度などから今年2月、東京証券取引所と経済産業省から東証1部の「なでしこ銘柄」に選ばれた。安倍政権の後押しもあって、女性の積極活用をうたう“なでしこ企業”の裾野は急速に広がる。

だが、先端を走る企業ですら試行錯誤を重ねる。

性別や国籍、年齢を問わず多様な人材を活用するダイバーシティー経営を推進する米製薬大手、ブリストル・マイヤーズスクイブ。日本法人の女性管理職がゼロであることに危機感を抱き3年前、営業部門に4人の管理職を誕生させると宣言した。

ところが男性社員たちが「女性優遇だ」と反発。候補に挙がった女性たちも「実力ではなく性別で選ばれたと思われ、やりにくい」と訴え、方針は撤回された。人事担当の田島房好常務執行役員は「もう数値目標は掲げない」と、実力主義を徹底する。

東芝も苦い経験を味わった。2005年に女性の管理職候補を集めた特別研修「きらめき塾」を開講。計200人強が受講、多くを管理職にしたが、男性たちが「特別枠」と厳しい視線を向け、2年間で打ち切った。

先月、管理職の女性比率を15年に5.0%にする計画を策定した。反省を踏まえ、今回は「女性を優先する数値目標ではない」と多様性推進部の西田薫グループ長。「男女を問わず適任者を育成すると、女性管理職も結果として100人程度増え、計画は達成できる」

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