生涯独身でも困らない 若者の不便・不安解消サービス広がる日経産地研調査

また、「単身生活で怖いと思うこと」つまり、犯罪に巻き込まれることや、急病などについても聞いてみた。一番気にしているのは「病気やけがで、突然自宅で倒れても、誰にも気づかれないこと」で6割強(図表4)。20代全体でみても、男性62.9%、女性64.7%とかなりの高率で若い人が相当気にしている。最高は女性40代の78.4%。年を取ると「孤独死」も身近に感じるようだ。次は「病気や怪我で寝込み、食事や身の回りのことに困ること」でやはり6割を超えている。

警備業界ではこの2年ほど、賃貸アパートなど集合住宅でのホームセキュリティーサービス導入が進んでいる。最大手セコムでは「大都市圏では、20~40代独身女性が住む1~2LDKなどで件数が倍増している」という。これを映してか、「空き巣や強盗の被害」を気にする単身女性は47.7%、「ストーカーやのぞきなどの被害」を気にする女性は34.8%に及ぶ。

もはやパラサイトは許容できず

また、未婚単身者が、親の高齢化に伴って困りそうなのが、賃貸住宅を契約する際の連帯保証人の問題。「賃貸住宅の連帯保証サービス」には19.9%の人が利用意向を示し、男性40代が最も多い(32.2%)。

最大手のオリエントコーポレーションが手がける「オリコスリーウェイサービス」の利用者(賃貸住宅入居者)はこの数年急増しており、前年比で契約数が1割増のペース。同社と入居者、賃貸住宅管理会社との3者契約で、オリコのクレジットカードにより入居者の口座から家賃の引き落としと一緒に毎月手数料(家賃の1.2~1.5%)を徴収する。親が高齢になって親自身の収入保証がしにくいことに加え、家計状況をおもんぱかってか、親に連帯保証人を頼みたくない若者が非常に増えていると同社では指摘する。

未婚の若者というと、「パラサイトシングル」がすぐ頭に浮かぶが、現況の経済情勢はもはやパラサイトを許容する状況ではない。日本銀行の金融広報中央委員会の10年調査によると、50代で44.9%、60代で44.0%が「この1年間に貯蓄が減った」と答え、「増えた」のそれぞれ15.1%、13.9%を大きく上回っている。自宅を後にせざるを得ない未婚者は基本的に増えるだろう。彼らの収入事情にも関わるだろうが、一人暮らしをセーフティーネット的にサポートする市場は、基本的に拡大傾向で進みそうだ。

調査の概要:2月3~5日にマクロミルに依頼してインターネットで実施。全国の20~40代未婚男女1030人の回答を得た。

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