生涯独身でも困らない 若者の不便・不安解消サービス広がる日経産地研調査

働いていれば、スーツやシャツなど、必ずクリーニングサービスを必要とする。しかし、わざわざクリーニング店に衣服をもって行ったり、それを受け取りにまた店に行くのは面倒だ。自宅から遠いところに店があるとなおさらだ。

単身生活者と単身予備軍が57%

最大手の白洋舎では、この面倒を解消するために5年前から「らくらく宅配便」というサービスを始めた。申込者が衣服を宅配便で白洋舎の指定工場に送り、クリーニングの後自宅に送ってもらう。

また、頼めばその指定工場で、次の季節まで保管してもらうことも可能。多くの利用者は衣替えとしてコートなど重衣料を送り、そのまま工場で次の季節まで保管するという。

ここ最近、利用者は前年比3割増で推移しており、その多くが独身単身者だ。「自宅で収容するには余裕がない人も多いし、自分で保管していると傷んだり虫に食われたりするおそれもある。それなら次の季節まで、と考える人が多くなってきた」と武田順クリーニング事業部長は指摘する。

単身生活では、荷物の受け取りも面倒。そんな面倒を解消するのが、ヤマト運輸の「クロネコメンバーズ 宅急便 受取指定」(10年1月開始)だ。個人会員組織「クロネコメンバーズ」に登録している人を対象に、eメールで事前通知し、ネット上で受取場所や日時を自宅だけでなくコンビニ、職場など自由に変更・指定できる。ヤマトでは会員(数は12年3月で約750万人)の5割弱が利用していると推定している。

日経産業地域研究所が2月初めに実施した調査(全国の20~40代の独身男女1030人が回答)によると、家族と同居している人(全体の66.3%)のうち、34.6%(全体の22.9%)が「いずれ単身で暮らすつもり」と回答した。すでに単身で暮らしている人(全体の33.7%)と合わせ、全体の56.6%が単身生活者ないし単身生活予備軍にあたる。この人たちに、「単身生活でどんなことが不便で困るか」を聞いてみた。

トップは「部屋の掃除」で、次いで「トイレの掃除」「風呂の掃除」など(図表3)。また、「日常の調理」「食器洗い」など、「作って汚れる」ものもかなり面倒くさがられている。最近の家事代行サービス市場の変化は、このデータからも裏付けられるのではないか。

「宅配便の受け取り」など、一人暮らしなので融通が利かないことも、かなり不便がられている。このほかには「役所の窓口の業務時間帯が限られていること」「郵便局や銀行の窓口の時間帯が限られていること」などだ。

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