生涯独身でも困らない 若者の不便・不安解消サービス広がる日経産地研調査

若年独身者の日常生活をサポートしたり、安全や安心を担保するサービスがじわじわと拡大している。こうしたサービスはこれまで年配者や富裕層のものだと思われていたが、未婚者の激増に伴い、彼ら若年未婚者が新たな利用者として浮上してきた。独身として一人で暮らしているがゆえの様々な不便や不安を解消するために、有料サービスに頼らざるを得なくなっているようだ。

家事代行件数の35%が単身者

家事代行サービスに変化が現れている。少し前まで富裕層、準富裕層向けの印象が強いサービスで、若い人で利用する場合も仕事で忙しい「ヤンエグ」的な人に限定されていたが、近年は所得面で中間層といえる独身単身生活者の需要が増えている。もちろん職を持っており、せっかくの休みは好きなことに有効に使いたいという動機が大きい。

健康な食生活を送るためプロに調理を任せるニーズも(ベアーズの「楽ラクうちごはん」)

長谷川興産(東京・豊島)では2010年10月から単身者向けの「単身パック」を開始した。主にワンルームマンション住まいの人を対象に、食事の支度を除く掃除、靴磨き、場合によっては洗濯など家事全般を請け負う。これが現在「家事代行件数全体の35%を占めるまでになった」(渡辺信明・メイドサービス事業部課長)という。利用者の9割が独身単身者で、20代後半から30代前半。このうち7割が男性だが、女性もじわじわ増えている。

ベアーズ(東京・中央)でも独身単身者による家事代行サービス利用者が、この3年ほど毎年前年比25%増のペース。それまでは件数全体の1割程度だったシェアも25%ほどに達した。「看護師や介護関係者などの利用者も増えている」と高橋ゆき専務はいう。荷物の受け取りや日用雑貨の買い置きなど、休日に時間を割くにはもったいない雑事を、家事代行スタッフに肩代わりしてもらうわけだ。

若年未婚者はこうした家事サービスに対し、「食事を作ってほしい」という要望が強く寄せられている。不健康な食生活を心配してのことだ。ベアーズでは2月から、1週間分の夕食の献立作りと調理を請け負う「楽ラクうちごはん」というサービスを開始している。これはファミリー層のほうが主要ターゲットだったが、独身者の申し込み全体の2割を超えており、その多さに驚いている。

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